「徳之島から春一番」で大盛況

会場内では「徳之島へ直行便を」の署名運動も

島ミカンを欲しがる翔平ちゃんに優しいまなざしで接する長木麻由佳さん

ワイド節、六調で大盛況となったステージ

バレイショ、タンカンなど大人気

【東京】東京に徳之島から春が届けられた――。「第10回徳之島観光・物産フェアin東京」が、16日に渋谷区の代々木公園イベント広場で開催され約2万人でにぎわった。野外ステージでは、徳之島出身のアーティストによるポップスやシマ唄なども披露された。来場者は、島の食材による料理や黒糖焼酎などを堪能していた。

同イベントは、関東徳州会(徳之島三町郷友会=坂田崇胖(たかひろ)会長)が主催したもの。坂田会長は「記念すべき第10回開催を、徳之島の食材と音楽で大いに楽しんでほしい」と呼び掛けた。ほか、高岡秀規徳之島町長、大久保明伊仙町長、森田弘光天城町長(代読)らがあいさつした。会場には、参院議員の里見隆治氏(公明党)も訪れ「両親のルーツ、徳之島を堪能しに来ました」と来場者と交流していた。

33のテントが会場を囲むように並び、パパイアの漬物、もつジャガイモや揚げ物、シークニンなどのドリンク類、多くの黒糖焼酎も販売された。喜界島出身の男性は「味が染みていて、おいしいね」と、イノシシ汁に舌鼓を打っていた。長蛇の列をつくったのは、島から運ばれたバレイショ「春一番」とタンカンのブース。タンカン1㌧、バレイショ3㌧が午後には完売となった。「今年は両方とも小ぶりですが、味は抜群ですよ」と関係者は呼び掛けていた。

野外ステージでは、あずままどかさん、禎一馬さんらアーティストが熱唱すれば、民謡日本一などに輝いた森田美咲さんがシマ唄を歌い上げた。また「徳之島闘牛大会代々木場所」も行われ、汗ばむような陽気(都心の最高気温16・9度)をさらにヒートアップさせていた。

大島高校の同級生3人で来場した名瀬出身の女性は「徳之島の熱気はすごいですね。奄美大島も参加すればいいのに」と話していた。千葉・八千代市から息子・翔平ちゃん(1)と初参加した長木麻由佳さん(40)は「古里を大切にする、徳之島の皆さんの心意気を感じました」と笑顔で黒糖焼酎を味わっていた。

イベントは東日本大震災の折、関東徳州会青年部が被災地支援を島の生産者に呼び掛け、バレイショ「春一番」20㌧が無償で提供されたことなどがきっかけ。徳之島からいち早く春を届けようと、2012年から開催されている。