大和村であった「ゆめときめき活動推進セミナー」
セミナー講演で大和村での10年間を振り返る大和診療所の小川信医師
県老人クラブ連合会主催の「ゆめときめき活動推進セミナーin大和村」が17日、同村防災センターであった。二つの老人クラブ代表による事例発表のほか、今年3月末までの勤務となる国民健康保険大和診療所の小川信医師が講演、在宅医療を支える地域の「思いやり」が同村には根付いていることを語った。
奄美大島7地区(奄美市は名瀬・笠利・住用)の老連役員や、大和村内老人クラブリーダーなど約100人が参加。活動活性化のための研修の場として島内持ち回りで開催しているが、コロナ禍でしばらくできず昨年の龍郷町でのセミナーから再開された。
セミナーでは開催地の大和村老ク連・坂元龍馬会長があいさつ、「健康寿命をいかに延ばすかが課題。県全体で見ても老人クラブ数、会員数が減少しているが、みんなで仲良く活動を継続していきたい」と述べた。伊集院幼村長の来賓祝辞もあった。
講演をした小川医師の演題は「大和村の10年間を振り返って」。小川医師は福岡県出身で2015年に赴任。元々外科医だが、赴任して10年間、外科、内科、小児科、救急医療、訪問診療、在宅医療・福祉、緩和ケア、災害支援(全国の被災地)など幅広く地域医療に携わった。予防、治療、福祉まで携わることができる離島での医療に魅力を感じたという。
これまでの大和診療所での勤務を振り返り「シマが教えてくれたこと」として、「みなさん結(ゆい)がすごい。地域で支え合う温かさがあり、訪問診療を進めていく上でも在宅での暮らしを地域の人々が見守り、日頃の様子を報告してくれる。都会ではあり得ない地域の力」と指摘した。
こうした地域性から大和村について「コンパッションビレッジ(思いやりの村)」と表現。小川医師は「共に何をするかという当事者意識が大和村の皆さんにはある。地域のつながりが力になる『社会的処方』により元気になられた方がいる」と語り、「大和村で経験したことを日本中に伝え、『コンパッション都市』を提唱したい」と述べた。▽みんなが共に取り組まなければならないと考える社会▽都市計画の中に、悲嘆や緩和サービスを含む▽市民に対してサポーティブ(支える)な経験や交流、コミュニケーションを提供する―などを「コンパッション都市」としている。
活動事例発表は、23年度全老連優良老人クラブ賞の宇検村湯湾老人クラブ仲良し会の直三男也さんが「地域で支えあい みんな笑顔で健康づくり」、同活躍賞の大和村思勝老人クラブ(オリーブの会)の元山安雄さんが「思勝オリーブの会のあゆみ」を発表。活動内容を報告し、「新しい活動を模索しながら地域と協力し合い、健康で楽しい仲間づくり、無理のない活動を行っていきたい」「焦らずできることを着実に、会員がいきいきと過ごせるよう、協力し合って活動していきたい」とそれぞれ述べた。