県議会3月定例会は19日開会した。会期は3月27日までの37日間。初日は2024年度一般会計補正(91億8100万円追加、総額9055億8400万円)、25年度一般会計当初予算(前年度当初比1・5%増の8527億3400万円)をはじめ予算案21件、条例改正や制定案など43件を提案。塩田康一知事が施政方針及び予算説明を行い、この中で奄美関係では大島支庁庁舎の再整備に向けて、2025年度から取り組みを開始することを表明。奄美群島振興では条件不利性の改善や沖縄との連携促進を挙げた。
説明の前に知事は、県警察の幹部職員が書類送検される事案が発生したことに言及。「県民の信頼をさらに損なうような事案が発生したことは遺憾」とした上で、「県警察におかれては、これまでの取り組みの実効性について改めて検証した上で、徹底した再発防止対策に組織一丸となって取り組み、県民の信頼を一日も早く回復できるよう努めていただきたい」と注文した。
県政運営の基本方針は、「稼ぐ力」の向上を図るためには「各産業を支える人材の確保・育成が不可欠」として、人手不足が深刻化する中、各産業分野における人材の確保・育成、労働生産性を高めるためのデジタル人材の確保、地域経済を支える貴重な人材としての外国人材の受け入れのほか、移住・交流の促進などにも取り組むとした。
主要施策のうち防災対策では、大規模災害時の被災者支援について説明。国の制度により被災程度に応じ最大300万円の被災者支援がされているものの、同制度の適用条件は「10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村等」となっている。対象外となる市町村の場合、県独自の制度により一律20万円の支援はあるものの、知事は「国の制度と比べると、支援内容に大きな差が生じている」として、県の制度を国の制度と同等程度になるよう見直し、「これまでの見舞金的な制度から再建支援を目的とした制度に改める」と述べた。
奄美群島の振興については、奄振開発計画に基づき「移住・定住の促進、自然環境の保全と利用の両立、産業の振興による稼ぐ力の向上などに着実に取り組む」として、航路・航空路の運賃軽減や農林水産物等の輸送コスト支援などの取り組みを引き続き推進するとした。
地域振興局・支庁の再整備のうち、完成(1962年8月)から今年で63年経過となる大島支庁庁舎について知事が説明。北薩地域振興局を含めて22~23年度にかけて実施した劣化状況調査結果により「32年度末までの建て替えが望ましいとされた」として、建設年次の古い大島支庁庁舎の再整備に向けて25年度から取り組みを開始し、27年度から北薩地域振興局庁舎の取り組みを開始したいとした。
代表質問は25~26日、一般質問は28日、3月3~5日にある。