ペット同室避難で要望書

ペット同室避難に関する要望を行った奄美大島ペット防災の会(19日、大和村役場村長室)

2町2村へ 前向きな回答も
防災の会

 奄美大島ペット防災の会(久野優子会長、会員50人)は19日、ペット同室避難体制の整備を求め、大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町に、ペット同室避難スペースの確保と、防災計画などにペット防災に関する事項を盛り込むよう求める要望書を提出した。4自治体への要望は初めて。自治体からは「体育館などにスペースを設けるなど段階を踏んで進めたい」と前向きな回答を得た。20日は、奄美市、名瀬保健所を訪れ同様の要望活動を行う。

 同会は、災害時における避難所の開設・運営を行うことを目的に、ペット愛好家や獣医師が中心となり2024年1月設立。同年5月には、奄美市と「同室避難協定」を結び、同月行われた県総合防災訓練では、名瀬運動公園体育館で訓練も実施した。

 大和村役場で伊集院幼村長と面会した久野会長は「奄美市には3か所指定避難所が設けられたが足りない。地震災害などを想定し避難スペースを設けてほしい。人命にも関わる」と要望した。

 伊集院村長は、「村内に4か所受け入れ先を設け、ペット登録のある人に文書を送付した。集落ごとに避難所を設けられるよう体育館などの活用も考えたい」と答え、防災計画の改定にも前向きな姿勢を見せた。

 各町村への要望を終えた久野会長は「自治体によって温度差を感じたが、考えてもらえる一歩になった。全ての避難所の一角にスペースを設けてもらうところから始めたい。自治体の協力を得るには、適正飼養の啓発も大事になる」と話した。

 同室避難所の設営や運営は、避難者が協力して自ら行う。同会では、災害に備えた情報共有と運営のため新規会員を募集している。詳細は「奄美大島ペット防災の会」ホームページ。年会費は1家族年500円。