今期サトウキビ生産見込み量の上方修正、糖蜜輸送船問題の影響回避見通しなど報告も=21日、天城町農業センター
【徳之島】徳之島さとうきび生産対策本部の運営企画委員会(月例)は21日、天城町農業センターであった。南西糖業㈱2工場へ搬入処理量は7万1148㌧(進捗(しんちょく)率44・38%)、買入平均糖度は13・30度(前年同期比マイナス1・8度)=18日現在。生産見込み量は16万3千㌧(当初比2700㌧増)=19日同=に上方修正。糖蜜輸送船の故障に伴う操業休止の影響は「CM肥料」活用で回避される。
同島3町農政など関係機関・団体から22人が出席。報告によると、同社2工場への町別の原料搬入量(平均買入糖度)は、▽天城町2万7372㌧(13・32度)▽伊仙町2万2184㌧(13・21度)▽徳之島町2万1592㌧(13・36度)―計7万1148㌧(13・30度)。
買入糖度は基準糖度帯(13・1度~14・3度)以上が全体の63・3%(前年同期98・4%)。高糖型で推移した前期からは大きく低迷しているが「平年値をやや下回る数値」。一方でこれまでの同社処理実績から見た3町の生産見込み量は、当初見込みから2700㌧増の「16万3千㌧」に上方修正(19日付)したという。
糖蜜輸送船の問題は、製糖工場(分蜜糖製造工場)の副産物である糖蜜を鹿児島・沖縄両県の島々を巡回して回収・輸送している専用船2隻のうち1隻が故障。貯蔵タンク容量超過による原料の受け入れや操業休止を余儀なくされ、製糖期間の遅延による来期への栽培管理作業の影響なども懸念される問題。
ちなみに南西糖業2工場の1日あたりの糖蜜生産量は60㌧、タンク容量(3基)は3200㌧。糖蜜船の配船停止によるタンク満量限界日は「3月5日頃」と推定。一方で、同社はこうした事態も「想定」して2009年11月、糖蜜を「副産植物質肥料(CM肥料)」として県に登録。既に㈲南西サービス(子会社)の試験ほ場への散布を開始。原料受け入れや操業休止など影響は回避されるという。
同問題を巡っては県農政部農産園芸課と県糖業振興協会側も、各島のキビ生産対策本部や糖業振興会に対し、「糖蜜資材のほ場散布や堆肥原料としての利用など有効活用」の検討など影響緩和を求める通知(17日付)を行っている。
協議ではほか、さとうきび培養苗実用化推進機構や農作業受委託調整センターなどの報告があった。