大島学区初の「私服登校可能日試行」を実行した天城中学校(2年生)=26日、天城町
【徳之島】天城町立天城中学校(折田宗仁校長、生徒数61人)では、生徒指導提要の改定に伴う取り組みの一環で26日、大島学区では初の「私服登校可能日試行」を実行した。「3+73の日(身だしなみの日)~身なりは人を表すDAY~」をスローガンに、全生徒の50・8%(男子41・3%、女子58・6%)が自由選択の私服で登校し、さまざまな反応を示した。
同校によると、生徒指導提要(文部科学省作成の小学校から高校までの生徒指導に関する基本書)の改定を受けて努めている校則、教育目標、生活心得など見直しと改善の一環。「自己指導能力」を身に付けることを最重視。具体的には「自己存在感の感受」「自己決定の場の提供」「共感的な人間関係の育成」―など子どもの権利条約に立って校則などを「自分ごと」と捉え、自主的に守る精神性などを育てるのが目的。
第1回試行に向けては、数回にわたる学校生活に関する評価アンケートや、生徒会役員など生徒たちからの意見集約、職員内での生徒指導部会、PTA3役会との意見交換などの結果も踏まえて検討を進めてきたという。
同校も冬季制服は男子が詰め襟の学ラン、女子はセーラー服の伝統を維持。画期的な「私服登校可能日」は私服でも制服でもジャージーでも登校可。私服登校の場合、「本校生徒としての品位と清楚(せいそ)を保つように心掛けて、華美なものにしない」「新しく購入しない、防寒着以外の帽子などは着用しない」「時と所と場合(TPO)をわきまえた服装を選ぶ」などを義務付けた。
私服で登校した2年生男子は「制服(詰め襟・学ラン)を着けなくていいと聞いて最初はびっくり。新しい発想だとも思った。制服だと毎朝服装に気を使わず、友達と同じという〝平等感〟もあっていい。逆に、制服の良さも知った」。お気に入りの私服で登校した別の1年生男子は「自由さがあっていい。その日の気分によって服装を決めてみたい」などと話した。
学校側は初試行に対する生徒アンケートなどで「自己決定の場」を提供し、月1回程度の試行継続の有無を含め検討する方針という。