県議会代表質問

「知事部局で主体的に」
公安委員選任、公募「事例ない」
離島救急搬送 「消防企画班」が対応

県議会3月定例会は26日、引き続き代表質問があり、県民連合の柳誠子議員=鹿児島市・鹿児島郡区、公明党の森昭男議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇した。県警の不祥事が続く中、警察の行う監察をチェックする機能を担保するため、県公安委員会の委員候補の選任手法が取り上げられ、公募を求めたのに対し、当局は第三者的な立場である知事部局において「より主体的に幅広く候補者の情報収集を行い、候補を選定していく」との考えを示した。

県公安委員会の委員は3人だが、うち1人が7月に任期満了を迎えるとして柳議員が質問。「一方の意見だけを聞いて問題なしとするような公安委員会では話にならないし機能していない。現在の委員は弁護士、医師、消費生活アドバイザーであり、どうしてこうした職種が選ばれたのか。法律に対応できる法曹の専門家が適任であり、公募によってやる気のある人の選任を」と求めた。

虫明徹・総務部長は答弁で、まず公安委員会の役割について説明。それによると、警察の民主的運営と政治的中立性を確保することを目的に設置される合議制の機関で、委員については「公正中立な立場から県警察を管理するという職責にかんがみ人格が高潔で高い識見を有する方を公安委員に選任すること」としている。選任について「各方面の要職を歴任した有識者の中から活動実績を踏まえ、ふさわしい方を選任している。しかし、その過程において県警察から参考情報を聴取してきたことが、公安委員の選任方法について疑念を招きかねないとの指摘が出ている」とし、虫明部長は「県民から疑念を抱かれることがないよう選任することが重要」と述べ、知事部局での取り組みを説明し、公募については現時点では他県でも事例がないとして知事部局で責任を持って選任していくとした。

森議員が取り上げた離島救急搬送に関し、2025年度組織機構改正で危機管理防災局消防保安課に設置される「消防企画班」の役割について桑代毅彦・同局長が答弁。救急安心センター導入検討、離島救急搬送、消防・防災ヘリ、救急業務高度化協議会などの業務を説明し、離島救急搬送について「消防や医療機関、搬送を担っている自衛隊や海上保安庁の調整を行うほか、搬送時の安全性の向上を図るため、離島空港の夜間照明設備の整備やヘリに持ち込む医療資機材の電磁波干渉試験などの課題対応に取り組む」と述べた。

大規模災害時等に運用される病院船についての質問があり、房村正博・保健福祉部長は「多くの離島やへき地を有する本県において自己完結的に洋上で活動できる病院船の活用は期待できる」と答弁。国によると、大規模災害等に陸上の医療機関を補完し被災地の港に停泊して船内で救護活動を行う役割などが想定されている。病院船の運用は国が実施し、医療活動に関する総合調整は都道府県が実施することが想定されているが、当面の間は国が全面的に支援を行うとしている。房村部長は「国は25年度内の運用開始を目指しており、国の動向を注視していく」と述べた。

28日から一般質問に入る。