闘牛場のごみ問題をテーマに啓発絵本の続編『ごみかいじゅう2』制作者の樟南二高生たち(提供写真)
【徳之島】天城町にある樟南第二高校商業科の生徒たちがこのほど、徳之島の環境問題など課題研究(授業)で自主制作した啓発絵本の続編『ごみかいじゅう2』を刊行した。テーマは「闘牛場のごみ問題」。試合後の観覧席に残されたごみ問題に焦点をあてた。
同校商業科では数年前から「残そう!きれいな徳之島」などをテーマに、▽ごみ出しルールの徹底▽同ルール世界一へ▽不法投棄撲滅などを目指す課題研究を推進。今回の絵本第2弾は、徳之島愛ランドクリーンセンターの協力で先輩らが約2年前に制作。読み聞かせなどにも活用されている絵本の続編。
同担当班は商業科3年生の前原玲奈・久林郁音・福琴花・富島歩美さんら。4人は「約400年の歴史がある徳之島の闘牛文化。開催地の中で〝最も熱い〟と言われ全国的にも一目置かれている。老若男女を問わず熱狂的なファンも多く、観光としても人気が高い」
しかし、その〝光〟の部分とは対照的に「試合が終わった後の会場はごみがいっぱい。それでいいのか?」と〝影〟の部分を指摘。「島の魅力を再認識していただきながら、意識啓発を図る目的で一生懸命作成しました」という。
刊行までには約1年を要した。脚本とイラストを担当した前原さん(18)は「本当にできるか不安だったが、最後まで取り組み完成できてうれしい。この絵本を通じ、多くの人たちにごみの分別やポイ捨て問題などを考えるきっかけになってほしい」
指導教諭の牧園慶悟さん(26)も「2年生の時に着手。脚本とイラスト作成に時間がかかったが、最後まで諦めずに取り組んでくれた。テーマは闘牛場。この絵本をきっかけにごみ問題を意識してほしい。高校生の力は微力ながら地域への貢献度は大きいと信じています」と話した。
続編はA4判・19㌻、200冊作成(非売品)。島内の幼稚園や保育園、図書館など公共施設には贈呈済み。ほか希望など問い合わせは樟南二高(電話0997・85・2511)まで。