衆院予算委で三反園議員質問

衆議院予算委員会で奄美振興などについて質問した三反園訓衆院議員(衆議院ネット審議中継画像から)

離島物価改善へ非効率性調査
生活必需品備蓄、コンテナ整備支援
分娩移動負担、財政支援

 自民党の三反園訓衆院議員(鹿児島2区)は27、28の両日、衆議院予算委員会で奄美群島振興などについて質問した。離島住民生活維持へ離島に特化した物価対策を求めたのに、国土交通省は離島物価改善へ物流の非効率性に焦点をあてた調査を進めていることを報告した。

 28日にあった同委第8分科会(国交省所管)で質問し、同省の黒田昌義・国土政策局長が答弁した。この中で黒田局長は離島物価の課題として「物流の非効率性に着目している。2024年度から調査を進めている」と述べ、この調査を踏まえ離島に有効な対策、物流の効率化につなげていくような対策を行うことで離島物価の改善につなげるとした。

 台風時などに長期化する定期船の抜港に備えた生活必需品の備蓄について黒田局長は「奄振(奄美群島振興開発特別措置法)の交付金を拡充して食料品などの備蓄に必要なコンテナ整備を支援している。地元の声を聞きながら必要な支援をしっかりと行っていきたい」と答弁した。

 昨年度の法延長・改正で沖縄との連携強化が掲げられ、交流促進へ奄美群島―沖縄間も航路・航空路運賃軽減が実現したが、三反園氏は「運賃軽減対象を鹿児島間同様、群島住民だけでなく、準住民(群島外の大学等の在学者、介護帰省者)を追加していただきたい」と求めた。また、事業を進めるにあたっての補助率は非公共で奄美は10分の5に対し、沖縄は10分の8(残り10分の2のうち10分の1は交付税措置)と特に差が大きいとして、奄美の補助率かさ上げの必要性を挙げた。

 黒田局長は答弁で、▽運賃軽減対象の準住民追加=沖縄間の運賃割引(支援対象拡充)は今年度の措置であり、進捗(しんちょく)状況を踏まえながら地元の要望をうかがっていく▽補助率かさ上げ=厳しい財政状況にあり地域の実情を踏まえて引き続き検討―との説明にとどまった。三反園氏は「補助率のかさ上げなど実現を引き続き求めていく」と述べた。

 27日は第5分科会(厚生労働省所管)で質問に立った。人口減少の中、安心して子どもを出産できる環境が求められているが、群島内では島内で分娩できず施設が整った鹿児島市内、沖縄県内まで移動している実態を説明し経済的負担への支援を求めた。さらに医療関係で、離島で有効なオンライン診療の充実へデジタル機器整備など「パッケージで支援する取り組み」の必要性を挙げた。

 いずれも同省の森光敬子医政局長が答弁。出産環境改善は「こども家庭庁と連携して24年度から離島に居住する妊婦を含め遠方の分娩取り扱い施設で出産する妊婦の交通費及び宿泊費の財政支援をしている。さらに同庁の補正予算により遠方の産科医療機関利用では分娩だけでなく健診を受診する妊婦の交通費も支援する予定と承知している」、オンライン診療の充実は「デジタル聴診器、AIデジタル機器などの普及に向けて必要なエビデンス(根拠)を蓄積しオンライン診療に関する支援を行っていく」とそれぞれ述べた。