奄美の「高校探究コンソーシアム」全国的評価

大賞受賞に満面の笑顔で喜びを表す貴島邦伸会長(右)(7日、大島高校)

奄美群島高校探求コンソーシアム設置で互いに手を結ぶ9高校(24年3月15日、大島高校)

高大連携取り組みなど
NITS大賞受賞

 独立行政法人教職員支援機構(NITS、茨城県)が主催する「第8回NITS大賞」の最優秀賞となる大賞に7日、「高校生サミットin奄美」を主催する「奄美群島高校探究コンソーシアム」(会長・貴島邦伸大島高校校長)が選ばれた。同日午後、同高校でオンライン授賞式に出席した貴島会長は、「大学のない奄美で行った高大連携の取り組みが評価された」と喜びを語り、サミットのさらなる充実を誓った。

 NITS大賞は、学校を取り巻く課題の解決に向けて実践した〝チーム学校〟による先進的な取り組みを評価するコンテスト。2019年には、徳之島町の母間小が優秀賞を受賞している。

 今年は全国から93点の応募があり、同コンソーシアムの取り組みが大賞(1点)に選ばれた。奄美群島の学校の取り組みが大賞を受賞するのは初めてという。

 同コンソーシアム(共同事業体)は、奄美群島全ての高校(9校)と、奄美群島を研究フィールドとする大学などが参画し2024年3月設置。生徒がST(総合的探究の時間)の研究成果を発表する場となるサミットを主催している。

 24年3月15日にあった第1回サミットには、域外2校を含む11校が参加。9校10組が研究発表し、審査員となった大学教授らから調査手法や課題の視点についてアドバイスを受けた。参加した約500人の生徒が、学校間交流を図る時間も設けられた。

 大賞受賞は、こうした取り組みが評価されたもの。審査員の一人は、「コンソーシアムは、地方の課題に真正面から取り組んだ。関係人口を創出するという視点は高く評価される。同様の課題を抱える全国の高校に広がるべき重要な事例だ」と絶賛した。

 喜島会長は「奄美群島には多様な分野の研究者が来島する。継続的な関係を築き支援や連携が図れれば、教員だけでは難しい探究活動のサポート体制を築くことができる。共同体を構成することで、継続的な関係となった」とコンソーシアムの意義を強調した。

 2回目となる今年のサミットは19日に同校で開催。群島内全高校が登壇し発表する。

 NITSは、同大賞への応募エントリーシートと、プレゼンテーション動画を10日からホームページ上で公開。5月頃には事例集を発行し応募校に送付する予定。