「宮古崎つつじウォーク」

東シナ海を望む「ササントウ」を歩く参加者(9日、大和村国直)

タイワンヤマツツジの苗50本が岬の斜面に植樹された

「花のじゅうたん」復活目指す
大和村国直

 国立公園に指定されている大和村の景勝地・宮古崎一帯に自生していたタイワンヤマツツジの復活を目指す「第14回宮古崎つつじウォーク」(同実行委員会主催)が9日、同村国直公民館を発着点にあった。親子連れなど164人が参加。リュウキュウチクに覆われた往復約5㌔の遊歩道を歩きツツジの苗を植樹、東シナ海に突き出た岬でパノラマの絶景を楽しんだ。

 宮古崎は、地元で「ササントウ(ササの塔・平原)」と呼ばれるリュウキュウチク(ササの仲間)の群生地。50年前には、数万本のタイワンヤマツツジが咲き誇り、岬全体が赤く染まるほどだったという。

 1975年頃から相次いだ盗掘で絶滅の危機に陥ったツツジの復活を目指し、同集落青壮年団がイベントをスタート。挿し木による育成場を作り、成長した苗を毎年50本ずつ用意、参加者が植樹している。

 参加者は午前10時半頃出発。微風・快晴の中、岬を目指し歩を進めた。植樹地点は傾斜があり、足をとられそうになる人もいたが、草丈のあるササ原に踏み入って植えていた。

 3年連続で参加し子どもたちとともに3本の苗を植樹した同村大棚の中島多香美さん(40)は「天気が良く気持ちよかった。成長してくれればうれしい」、大和小2年・森時さん(8)、同3年・重信承太郎君(9)、同・村上ひまりさん(9)は「来年も来る。花が咲くまで続けたい」と話した。

 一人訪れていた奄美市名瀬の本田エミ子さん(74)は「ここに来るのは50年ぶり。以前は、赤やピンクの花が岬の斜面全てを埋め尽くすように咲いて壮観だった。盗まれたと聞き残念でならない」と寂しそうな表情を浮かべた。

 復活のため植樹を続けていると知ると、「かつての風景を取り戻してほしい。また、真っ赤な『花のじゅうたん』を見てみたい」と笑顔を取り戻した。

 散策を終えた一行は公民館に戻り、婦人会が用意したカレーライスに舌鼓を打ち、語り合っていた。