糖蜜が回収されないため13日から操業停止する喜界島の生和糖業。輸送船2隻目の再開が待たれている
製糖過程で生じる糖蜜を回収する船が故障し運休による影響が県内の製糖工場で出ているが、喜界島の生和糖業も13日から操業を停止する。再開時期は未定。糖蜜保管用のタンクが満量となっているためで、回収船の再開が待たれている。
同糖業によると、保管用のタンクは2基(700立方㍍と400立方㍍)あり、いずれも満量という。鹿児島―沖縄の各島を巡回する輸送船は、東京の糖蜜業者が手配しているもの。通常、製糖繁忙期の1月下旬頃から回収船は2隻体制となるが、1隻が昨年12月に故障。特殊な船のため代替船の確保が難しく1隻回収が続いている。
この回収船が喜界島に寄港する計画は4月4日。それまで2隻体制に戻らなければ、操業停止期間は長期化し多大な影響が生じる。同糖業は「(県議会一般質問で説明されたように)もう1隻は3月中旬に運航再開と聞いているが、具体的にいつからという情報は現在のところまだ入っていない。長期間の操業停止を避けるためにも早く再開のめどが立ってほしい」と願う。
生和糖業が2024年産(24~25年期)サトウキビの製糖を開始したのは昨年12月18日。今期の生産量は6万5千㌧を見込んでいるが、現在までの処理進捗(しんちょく)状況は64%。糖蜜の満量に伴いこれまでも1月に2日間、2月に入ってからは春植え推進に伴う期間を含めて5日間の計7日操業を停止している。操業停止期間は搬入を受け入れることができないことから、町農業振興課などはキビ生産者に「早刈りや刈り置きを行わないよう」呼び掛けている。
再開が待たれている2隻目の運航について県農産園芸課は「当初の情報は今月中旬頃の説明だった。まだ再開時期についての情報は入っていない」としている。
なお、奄美大島の富国製糖の方は現在運航している輸送船が回収済み。奄美市笠利町にある奄美事業所は「予定通り今月8日に350㌧が回収され、それにより同日から操業を再開している。これで今期の製糖期間に支障なく最後まで操業できる」と説明する。