中高生3人が企画 子どもの職業体験

真剣な表情で機織り体験する池島優愛さん(左)。30分以上もその場を離れなかった


ウサギの心音を聴く子ども。順番待ちの列ができるほどの人気だった(16日、なぜまち商店街)

「キッズキャリアデイ」商店街と水族館で
機織り、獣医師など多彩ブース

 中高生らが中心になって企画した職業体験イベント「奄美キッズキャリアデイ」(同実行委員会主催)が15、16の両日、奄美市のなぜまち商店街と奄美海洋展示館であった。音楽プログラミング、本場大島紬の機織り体験、動物病院で働く獣医師―など多彩なブースが並び、参加した子どもたちは、体験を通して働くことの意義ややりがいを学び、将来の夢を膨らませた。

 イベントを企画したのは、12日に金久中学校を卒業した中山花乃音(かのん)さん(15)、日置優希奈さん(15)、通信制高校1年の時永萌花さん(16)。実行委員会を立ち上げ、多くの企業・団体・個人がボランティアスタッフとして運営を支えた。

 3人は、10代が企画力を競う「イベント甲子園2024」で2位入賞。この時のアイデアをアウトプット(具現化)することを目的に、半年をかけて開催にこぎつけたという。

 奄美海洋展示館では、小宿小1年の松元果穂さん(7)が、ウミガメの餌やりなどを案内するスタッフ業務を体験。「水族館の仕事は大変だった。カメも魚も好きなのでアルバイトしてみたい」と話した。

 商店街では、ゆいの島どうぶつ病院ブースが大人気。獣医師や動物看護師、トリマーの仕事を学んだ子どもたちは、聴診器を使って生きたウサギの心音を聴き驚きの表情を浮かべていた。

 2年前に大切にしていたイヌを亡くしたことがきっかけで獣医師を目指しているという宇検村・名柄小4年の外山海凪(とやまなぎ)さん(10)は「ウサギの心音が人間より早いのはなぜ」と質問。

 新屋惣獣医師(31)は「体の小さな動物は寿命が短く、心拍が早い傾向にある」と説明し、「獣医師になるには、高校生からしっかり勉強することが大事。動物を思う気持ちを忘れないこと」とアドバイスしていた。

 機織りを体験した名瀬小2年の池島優愛(ゆうな)さん(8)は「おばあちゃんがやっていたと聞いていたので興味があった。初めてパタパタした。緯糸(よこいと)を通すのが難しかったけど楽しかった」と終始笑顔だった。

 企画した中山さんは「運営面は想像以上に難しかった。でも、ずっと見たかった光景が現実になった。子どもたちが楽しそうにしていたのが何よりうれしい」とイベントの成功を喜んだ。