奄美市で高校生サミット

高校生サミットで発表する生徒たち


発表後には生徒交流会実施し、3トピックで意見を交わした

高校生、情熱の発表が続々
群島全校が集結
大学教授が助言、生徒交流会も

 奄美群島の高校生らが一堂に会する「高校生サミットIN奄美2025」が19日、奄美市名瀬の大島高校であった。今回が2年目で、奄美群島の高校9校を含む計10校が集結し、研究成果を発表。生徒らは、指導助言の大学教授らを前に熱のこもったプレゼンテーションを続々と繰り広げ、互いを刺激し合った。

 奄美群島の高校間交流、高大連携を進める「奄美群島高校探究コンソーシアム」(会長・貴島邦伸大島高校校長)が主催。奄美群島内9校、7大学、1企業で組織し、高校サミットを運営。島の生徒と大学、研究機関、企業をつなぐ場の構築などに取り組んでいる。

 発表は、奄美群島全9校に加え、神奈川県の横浜サイエンスフロンティア高校が参加した。生徒は各校を代表し、大学教授5人の他、約600人が見守るなか、「総合的な探究の時間」の研究成果を披露した。

 大島高校の生徒4人は、奄美の男性に早世が多い現状などに着目し、島の長寿食といわれる甘麹(こうじ)やミキなどの発酵食品を使ったレシピを考案し、日常の食生活にもっと取り入れるよう提案した。徳之島高校の生徒3人は、イヌやネコに対して家族という意識を高めてもらうために実施したアンケートから若者への啓発の必要性を導き出し、ポスターや絵本を制作。子どもたちに発信し活動する様子を報告した。

 喜界高校の生徒2人は、家庭の庭などに落ちている花良治みかんを精油し、虫よけスプレーを開発した。試作品や価格設定、流通ルートなどの綿密な計画には、指導助言でも「現実的だ」とたたえられた。発表した共に2年の松田くららさん、都瞭菜さんは「(発表は)120点。ちょっと調査不足だったけどもっと良くなるように続けたい」と笑顔だった。

 鹿児島大学国際島嶼教育センターの河合渓副センター長は総評で「驚きとパワーをもらった。奄美に特化しそれぞれの視点でやられている」と評価した。他の教授からも「完成度が高い」「まずはこの組織を立ち上げたことが素晴らしい」といった声も出た。

 発表の後は、10校64人が参加する生徒交流会も実施。「帰ってきたくなる島」などをテーマに意見を交わした。

 大島高校2年の山田みやび大会生徒会長は「みんな大人っぽく立派に見えた。大学生とかになっても後輩が生かし、活動を続けてほしい」と願った。

 発表会や交流会の様子は、公式のユーチューブチャンネルでライブ配信された。