描いた壁画を前に奄美高校美術部生徒たち
小俣町のゲストハウスに描く
奄高美術部生徒
奄美市名瀬の奄美高校美術部(上床恵顧問)の生徒は20日、同小俣町にある宿泊施設の壁面を使って、壁画アートを完成させた。「奄美の海」をテーマに色鮮やかに描いた作品が街に彩りを添え、道行く人を楽しませている。
観光客へのPRや地域のランドマークになればと「ゲストハウス奄ん(あまん)」の基田健司代表が依頼し、実現した。連絡のあった今月4日以降は、油絵に取り組む2年生部員の伊藤環さん(17)が壁画の原案を担当。縦180×横640㌢の壁に描く絵を考えた。
壁画には、宿の名前で島の方言でヤドカリを示す「アマン」をはじめ、クジラやウミガメ、サンゴ礁など、奄美の海に生息する生き物たちをかわいいイラストスタイルで表現した。絵には島の固有種・アマミノクロウサギやルリカケスも追加。笑顔で海を泳ぐ生き物たちを躍動感たっぷりに描いている。
作業日の20日は、朝から壁面を清掃し、部員5人が外壁用ペンキで下絵に沿って色を塗った。作業中には多くの市民が足を止めて「すごいね!」などと観賞。夕方の完成時には、記念写真に収まる親子の姿もみられた。
同部員による郊外での壁画制作は初めて。伊藤さんは「カラフルに海を表現したかった。よくできている。(観光客には)奄美を感じてほしい」と上機嫌。上床顧問は「地域密着の部活動。部として考えた場合、地域に作品が残ることが何より」と話した。
基田代表は「この道路は保育園の散歩コースでギャラリーも多く、辺りも明るくなった」と感謝。「高校生の島での思い出にもなってくれれば」と話した。