一足早く、黒米が田植え

大江さんの田んぼでは奄美農業グループメンバーが手伝って黒米の田植えが始まった。

大江さん水田、神事や舞奉納も
秋名・幾里地区

 奄美大島の米どころ、龍郷町の秋名・幾里地区の田袋で23日、一足早い田植えが始まった。田んぼには、白米に先駆けて育った古代米「黒米」の苗が次々と届けられ、地元農家らが作業を開始。野鳥が飛び交う山あいに、田植え機のエンジン音を響かせた。

 同地区に2㌶の田を所有する大江強さん(69)の水田では、奄美農業グループのメンバーや家族ら15人が集まり、初植えに汗を流した。作業前には神事の「お田植え祭」が執り行われ、祭壇を前にユタが豊かな実りを祈願。アマミ舞メンバーはそろいの装束で「あわのうた」と舞を奉納し、1年の安全や無事を願った。

 黒米は水田約20㌃に植えられた。晴天の下、田植え機が稼働すると、田んぼは青々とした苗で彩られていった。機械の小回りの利かない場所には、子どもたちが田んぼに入ってお手伝い。「ぬるぬるしてる」などとにぎやかに声を上げながら、手で苗を植えていった。

 黒米の収穫は7月下旬頃を予定。大江さんは「(秋名・幾里を)全国的なコメの産地にしたい。豊作を目指して、しっかりとコメづくりに尽力したい」と話した。

 同地区での白米の田植え時期は例年、4月中旬頃。早い所では初旬に始める農家もあるという。