空き家活用プロジェクト始動

残された食器類を丁寧に包む参加者(23日、龍郷町嘉渡)

中高生のアイデア生かす
龍郷町

 龍郷町地域おこし協力隊は23日、町内の空き家再生に向けた「中高生空き家活用プロジェクト」の活動、「空き家お片付け大作戦」を実施した。同町嘉渡の一軒家で行われた活動には、高校生5人を含む8人が参加、約2年間放置された空き家の残置物を整理した。今後建物は、高校生らのアイデアを生かした活用が図られるという。

 同プロジェクトは、1軒の空き家を中高生のアイデアで活用することを目的に、昨年末に立ち上げた。大家の許可を得て、1月19日には第1回活動を実施し、今回のメンバーとは一部異なる高校生5人が中心となって、放置された荷物の片付けを行っていた。

 作戦の現場は、約2年前から空き家になっていた築50年以上の木造一軒家。庭の半分を雑草が覆い、雨漏りのため天井が剥がれかかった所や、床が腐った部分もあった。部屋には、家具・家電・食器・衣料品が残され、位牌(いはい)や仏具などもあった。

 参加者は、台所と物置部屋の2班に分かれ、今後の活動資金に充てるため換金できそうな物と廃棄する物を丁寧に分けていった。住んでいた人が大島紬の仕事に関わっていたのか、手書きの図案数枚も発見された。

 約3時間の作業で段ボール8箱分の有用物と、ごみ袋20袋分の廃棄物を分別し作業を終えた。

 前回も参加した大島高校1年の宮山來三(らいぞう)さん(16)は「初回は大変だったが2回目は楽しくできた。地域が活性化し、観光客も利用できるようなものを作りたい」、初めて参加した同級生の圓山結礼(ゆらい)さん(16)は「初回に参加した友達が『お宝いっぱいだよ』と楽しそうに話していたので興味があった。おしゃれな服やキャラクターグッズがあって楽しかった。奄美を観光客に知ってもらえるような施設にできたら」と話した。

 地域おこし協力隊の竹内ひとみさん(26)は「始めたばかりで課題は多いが、最終的には内部をきれいにして中高生のアイデアを生かしたい」と話した。協力隊は、プロジェクトに参加するメンバーを募集中。問い合わせは町企画観光課(電話0997・69・4512)。