新緑のグラデーション拡大

「うりずん」の季節を迎え、世界自然遺産に連なる森には鮮やかな新緑のグラデーションが拡大=25日、徳之島・天城町三京

スダジイなどの新緑に混じりクロバイの白い花も鮮やかに自己主張していた

徳之島 激動の「うりずん」の季節
生物多様性育む

 〇…世界自然遺産の生物多様性を育む〝ゆりかご〟の常緑広葉樹(照葉樹)の森林では新緑のグラデーションがムクムクと山の頂きを目指している。三寒四温の中にも25日は最高気温25・1度=アメダス伊仙=の夏日に。「うりずんの季節」とも称され、過ごしやすくも〝激動〟のシーズンとも言えそうだ。

 〇…徳之島町亀津方面から徳之島最高峰・井之川岳(645㍍)に連なる広葉樹林域をぬって「徳之島トンネル」を抜けて天城町方面に至る25日午後の〝やまなみロード〟。スダジイ(イタジイ)を中心にイジュやイスノキ、オキナワウラジロガシなどの沸き立つ新緑がじつにすがすがしい。本州の山岳部の〝残雪〟のようなクロバイの白い花のスポットも自己主張していた。

 〇…ルート沿いには「ストップ・ロードキル(交通事故死)」のカウンターつき・啓発看板も。アマミノクロウサギ(国特別天然記念物)など希少野生生物たちの存在も忘れずに、ゆとりと思いやり速度の運転が必要だ。

 〇…「うりずん」の季節は、島の人間社会にとっても「卒業」「転勤」「島立ち」「旅立ち」「惜別」、そして「新たな出会い」へと激動のシーズンとなる。島の経済を支える基幹作物のサトウキビやバレイショの収穫も終盤にある。全ての根幹をなす健康管理を怠ることなく〝激動のうりずん〟を過ごしたい。