「アマミエビネ」咲く

西康範さんが撮影した希少種の「アマミエビネ」

可憐な花ひっそりと

 奄美大島固有種の「アマミエビネ」が、島南部の森でひっそりと開花しているのを西康範さんが撮影した。薄紅色の可憐な花。「撮影時は咲き始めでした」と西さん。新緑に染まった森の中でもひときわ存在感を放つようだ。

 環境省のレッドリストで絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧ⅠA類」に分類されている希少種。

 『奄美の絶滅危惧種』(山下弘さん著)によると、林床に生える地生ランで、花期は3~4月。根生葉(こんせいよう)は1~3枚、倒卵状長楕円形、長さ15~25㌢。花がつく茎の高さは25~50㌢。奄美大島ではかつて標高300㍍以上の林床で「ごく普通に見られた」という。ところが花の美しさから園芸採取などにより盗掘(盗採)が相次ぎ、絶滅寸前の状況となっている。