パリ五輪女子やり投げ金メダル北口選手奄美合宿

笑顔で会見に応じる北口選手(26日、奄美市名瀬)


ポーズをとる北口選手

「一番思い出に残る場所」

 奄美大島で合宿中の陸上女子やり投げ競技の北口榛花(はるか)(27)選手=日本航空(JAL)所属=が26日、奄美市内のホテルで報道関係者向けに会見を開いた。久しぶりの国内合宿で、北口選手は「昨年のこの時期、体調を崩していたこともあり、長く海外でトレーニングするより自分でトレーニングをコントロールしたい」などと語った。

 北口選手は北海道出身。昨年のパリ五輪の陸上女子やり投げで、女子のフィールド種目としては日本人初となる金メダルを受賞。最も活躍したプロのスポーツ選手や団体に贈られる「日本プロスポーツ大賞」も受賞した。奄美大島にはJALが主催し、全国各地でスポーツの楽しさや競技スキルの上達に向けたアドバイスを伝え、地域の人々と交流するJALアスリートアカデミーの開催のため、同社所属の選手らとともに2022年11月に初来島し、今回で2回目。合宿としては今回が初めて。

 26日の会見には北口選手の出身地でもある北海道からも新聞記者が駆け付け、各テレビ局や新聞社計26媒体が参加。北口選手は記者たちの質問に丁寧に笑顔を交えながら答えた。

 奄美の印象について北口選手は「初めて訪れた時は、暖かく、風が強くてやりを投げるのは不安もあったけど、競技場もしっかりしており、いい場所。一番思い出に残る場所。人の温かさに触れ、また戻ってきたい」と語り、「初めてのアスリートアカデミーの開催の場所でもあり、多くの人々が参加してくれた」と話し、奄美の人々に向けて北口選手は「練習場所ではスポーツをしている人の姿を多く見かける。どこの場所でも極めれば必ず上を目指せる。運動以外にも好きなことを一生懸命、極めてほしい」とメッセージを送り、世界陸上(9月、東京)への出場権を得ていることから「金メダルを取って表彰台の一番上で国歌を聞く機会は大切な空間であり時間。日本の皆さんが多く来て下さる世界陸上で特別な空間を一緒に分かち合えるようにしたい」と抱負を述べた。