GPSサシバ移動始まる

リュウキュウマツの横枝に止まるサシバ

バッタをくわえ、ササの上部に止まる成鳥

先頭は龍郷小個体
保全プロジェクト

 奄美大島各地で越冬していた絶滅危惧Ⅱ類の猛禽(もうきん)類サシバの春の渡りが始まった。2024年同島北部(奄美市笠利町、龍郷町)、25年南部(宇検村)でGPS(全地球測位システム)を装着した個体も動き始めた。奄美新聞は、10月25、26の両日開催される「国際サシバサミットin宇検村」へ向け、装着個体の移動を追う。(写真はいずれも与名正三さん撮影)

 公益財団法人日本鳥類保護連盟(東京都、小宮輝之会長)を中心とした「サシバ保全プロジェクト」が本格始動したのは24年2月。クラウドファンディングで支援を募り、11羽のサシバにGPSタグを装着し移動経路を追跡した。

 奄美大島から関東や東北の繁殖地に移動する春の渡り、夏の終わりから秋にかけ島に戻る秋の渡りの様子は克明に記録され、謎に包まれていたサシバの渡りの一端が見えた研究となった。

 宇検村では、今年2月24日~3月2日にかけ同様の調査が行われ、11羽にGPSタグを装着した。北部・南部の渡りを比較することで、奄美大島で越冬する約2000羽の渡りの謎がさらに解明されると期待されている。

 同連盟のレポートでは、先頭を切って移動を始めたのは24年に捕獲された「龍郷小個体」(同小第2グラウンドで捕獲)。3月21日に奄美大島を離れたとみられ、種子島を経由し25日に四国に入り、27日には大阪と奈良の県境あたりで動きを止めた。

 宇検村で捕獲された「湯湾」が動き出したのは23日。奄美市住用町上空を飛び龍郷湾を越えて中之島で1泊した。24日夜には大隅半島、26日に四国に入りそのまま縦断、28日には京都府に到達した。

 奄美市名瀬在住の野鳥写真家、与名正三さん(73)は「里山やサトウキビ畑で暮らすサシバは、奄美大島では当たり前にいる存在かもしれない。しかし、生息域が減り、急激に数を減らしている。サシバが多く暮らす奄美の自然の恩恵を感じてほしい」と話した。

 奄美大島でサシバの姿を見ることができるのは4月中旬頃まで。