過去最多1800頭

生まれて数日以内だというザトウクジラの赤ちゃん(2月17日、奄美市名瀬小湊沖で興克樹さん撮影)

奄美大島近海 ザトウクジラ出現
赤ちゃん接近 スイム禁止に

 奄美大島近海で確認されたザトウクジラの数が、2025年シーズンは約1800頭となり、過去最多となったことが奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)の個体群調査で分かった。一方、人が泳いでクジラを観察する「ホエールスイム」観光については、来シーズンから赤ちゃんクジラへの接近を禁止するなど規制を強化することを決めた。

 同協会は3日までに、2025年シーズンの奄美大島周辺海域におけるザトウクジラの出現状況(24年12月~25年3月末)をまとめ発表した。今シーズンは過去最多の1093群1799頭が出現。観光ツアーの参加者も過去最多の7789人となった。

 初観察は12月11日、瀬戸内町の加計呂麻島徳浜沖。1月に入り出現頭数が多くなり、下旬から2月初旬にかけての寒波の時期を除きほぼ毎日出現があり、2月27日は最多の63頭を確認した。

 確認された1093群のうち169群(15・5%)は母子群で、北部で26日間、南部では12日間滞留する群れもあった。季節風をさえぎる島影や沿岸部など育児に適した環境での観察が多かったという。

 ツアー参加者のうちスイムの参加者は3480人で、全体の44・7%を占めた。

 4月2日にあった総会では、沖縄美ら海財団総合研究所の小林希実研究員が、沖縄で実施した「スイムによる影響調査結果」や「母子クジラのエネルギー消費に関する最新研究」を報告し共有した。

 報告を受け同協会は、来シーズンから母子群へのスイム回数を2回以内、赤ちゃんクジラ(体色がグレーの個体)を対象としたスイムを禁止するなどの自主ルールを決めた。

 同報告を基に沖縄本島北部では、ホエールスイムによるザトウクジラへの負荷を考慮し、来シーズンからのスイム禁止を決めている。

 興会長は「奄美大島にはクジラの研究機関や研究者がいるわけではない。ツアーを通じた調査がこの役目を果たしている。クジラが安心して暮らせる環境を守りながら、保全と活用を両立させていきたい」と話した。