70周年記念誌発行を報告した(左から)大塚保護観察官、松田会長、森田事務局長
北大島保護区保護司会(松田秀樹会長、保護司76人)、南大島保護区保護司会(大田英勝会長、保護司37人)はこのほど、1954(昭和29)年からの活動の歩みをまとめた『紡ぐ更生保護あまみ70周年記念誌』を発行した。保護観察や犯罪抑止などの更生支援と向き合い70年。松田会長は「歴代先輩の偉業を継承しながら、これからも社会のために活動していきたい」と話した。
同団体は、54年11月の駐在官事務所制度新設に伴い、全国初の駐在官事務所が旧名瀬市に開設されたことを受け発足した。67年6月には保護区を分離し、今の北大島(奄美大島、喜界島)、南大島(徳之島、沖永良部島、与論島)の体制に移行。犯罪や非行をした人たちへの面談等を通じて改善・更生を助け、犯罪抑止のための啓発活動などに取り組んでいる。
記念誌制作は初めてで、100周年のタイミングでは、資料をさらに失うという危惧もあり、21年8月に着手した。冊子はA4判、122㌻で、会の活動や変遷、保護司の名簿などを写真や年表を交えて紹介。12市町村の首長や奄美在籍の歴代主任官らも祝う言葉を寄せている。
7日は、北大島保護区保護司会の松田会長と森田忍事務局長、新たに奄美駐在官事務所に着任した大塚和徳保護観察官が奄美新聞社を訪れ、発行を報告した。松田会長は「これまで尽力してきた歴代先輩の歴史をようやくつづることができた。今後の奉仕活動の糧になれば」と述べ、森田事務局長は「これまでに目に見える冊子などはなく、いいものができた。後世に残すことで活動の意味にしていきたい」と話した。
冊子は計300部を作り、群島内の自治体や関係団体、図書館などに配布する。22日には、70周年を祝う記念式典なども予定している。