今秋開催予定の国際サシバサミットに向けて協議された(9日、宇検村湯湾)
今年10月25、26日に開かれる「国際サシバサミット2025in宇検村奄美大島」の同実行委員会(委員長・元山公知宇検村長)は9日、第1回会合を同村湯湾の村役場で開いた。自然保護団体や奄美大島5市町村の担当課らから28人が出席(オンライン含む)。元山村長は「渡り鳥サシバを通し環境保全や地域文化、国際交流が見直せる意義深い機会。知恵と力を出し合い、実りあるサミットを作り上げたい」と話した。
同サミットは絶滅の危機にあるサシバの保全を目指し、2019年、栃木県市貝町で開催。以降、沖縄、台湾、フィリピンで開かれ、宇検村で5回目。国内外の繁殖地、越冬地、中継地の連携による、サシバの保全が図られている。
議事では会場となる村総合体育館でのプログラムや周知活動の概要、併催されるフリーマーケットの実施要領が報告された。
プログラムでは25日、基調講演や同時通訳による海外各地の活動報告を計画。26日は「奄美大島のサシバ保護への共通認識を示す意思表明の場」(委員会事務局)とする「サミット宣言」が予定され、各市町村首長の参加を呼び掛けた。
ほかにも村無形民俗文化財「芦検稲すり踊り」の披露や地元児童生徒らの発表会など、地域の特性を生かした催しを企画。公募によるポスターの発表など歴代の開催地で行われたイベントも踏襲する。
また、村は一般参加者を募るにあたり、Webでの事前申し込み用フォームの設置を検討。来場者数などを把握し、貸し切りバスの運行計画や宿泊先の手配などに生かすという。
参加者からは開催に向け、「サシバの移動経路を追跡するGPS(全地球測位システム)調査の経過報告」「次回の開催候補地の招待」「来島者への交通手段の周知」などを要望する声もあった。
次回会合は事前申し込み用フォームの集計が終わる9月頃の開催を予定している。