4年連続100匹超え 奄美大島ノネコ捕獲

ケナガネズミをくわえるノネコ(2012年3月、奄美市知名瀬の山中)=環境省提供

飼育下個体も増加傾向

 環境省と奄美大島ねこ対策協議会は7日、ノネコ管理計画に基づく「ネコの捕獲・対応状況」を発表した。2024年度の捕獲は146匹で、昨年度(161匹)より15匹減少したものの、4年連続100匹を超えた。飼いネコとみられる個体が過去最多となる21匹含まれており、環境省奄美群島国立公園管理事務所の広野行男所長は「適正飼養に関するさらなる理解が必要」と話している。

 森林内のノネコの排除を目的とした捕獲は、環境省、県、奄美大島5市町村で構成する同協議会が2018年に策定した「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」に基づき同年7月から実施している。

 24年度に捕獲されたネコは146匹。うち144匹が譲渡され、1匹が収容中に死亡、譲渡予定の1匹を収容中(9日現在)。

 捕獲方法の検討があった20年度を除き、19年度以降の捕獲数は100匹を超えている。飼いネコとみられる個体も22年度8匹、23年度14匹、24年度21匹(全て飼い主に返還)と増加傾向にある。

 環境省は24年度、龍郷町龍郷、同町秋名、奄美市名瀬崎原の3地区を重点捕獲地域に加え17地域で捕獲を実施。25年度からは、未実施だった瀬戸内町西古見、龍郷町赤尾木、奄美市笠利町節田、同町赤木名で着手し、「ノネコ管理計画ロードマップ」で区分けされた全21地域で捕獲に着手、全島での捕獲体制を整える。

 広野所長は「先に着手した地域の低密度化は進んでいる。適正飼養の啓発を図りながら、事業の最終年度となる27年度には捕獲ゼロを目指したい」と話した。

 同協議会では、ノネコの譲渡を希望する個人・法人を随時募集。認定審査があり、飼育場所等一定の条件を満たす必要がある。詳細は、各市町村のホームページ。