「三者囃子」を奉納する一番組の踊り子たち(12日、与論町)
子どもたちの頭をかむ「瀬利覚の獅子舞」(12日、与論町)
災害のない1年に
特別ゲストで「瀬利覚の獅子舞」披露
【沖永良部】国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊り」が12日、与論町地主神社であった。住民や観光客らが見守る中、9演目を奉納したほか、特別ゲストとして沖永良部島の伝統芸能「瀬利覚の獅子舞」も披露された。
与論十五夜踊りは、五穀豊穣(ほうじょう)や嶋中(とうちゅう)安穏、無病息災を祈願するため、1561年に創始されたと言われている。年3回(旧暦の3、8、10月の15日)奉納され、琉球風の踊りを奉納する二番組と大和風踊りの一番組が交互に演目を披露する。
あいさつで田畑克夫町長は「昨年は未曽有の豪雨被害を受けたが、それを乗り越えて今年は災害や事故のない1年にしたい」と述べた。
この日は、二つの組が合同で行う「雨賜(たぼう)り」を皮切りに、「一度いふて」「三者囃子(さんばすう)」「この庭」「六十節」などを奉納した。
伝統芸能交流の一環で、隣の沖永良部島から知名町の瀬利覚獅子舞保存会のメンバー17人が来島し、「瀬利覚の獅子舞」を披露。会場を練り歩きながら、獅子頭で観客の頭をかむパフォーマンスで盛り上がった。
同保存会の東里樹会長は「与論島で獅子舞を披露するのは初めて。伝統芸能を通じてさらに交流を深めていきたい」と語った。