著者の牧園浩亘さん
シリーズ第2弾の著書『教務主任の仕事』
【徳之島】大阪市立小学校に勤務する傍ら、教育現場での経験に基づいた研究・提言を続ける牧園浩亘(ひろのぶ)さん(44)=同市在住、徳之島町亀津出身=が、教育・仕事術シリーズの第2弾となる著書『教務主任の仕事』(東洋館出版社)をこのほど発行した。本書では、学校運営の要となる教務主任に求められる能力や心構え、具体的な実務ノウハウを紹介しており、ビジネス社会全般にも示唆を与える内容として注目を集めている。
牧園さんは、亀津中学校、鹿児島育英館高校、大阪教育大学を卒業後、私立医科大学職員として4年半勤務。その後、社会人枠で小学校教員に転身した。例会数370回(3月末現在)を数える教育サークル「REDS大阪」の代表を務めるほか、日本国語教育学会会員などとして、国語、道徳、学級経営の研究活動を通じて積極的に著述を発表。2021年には、国語の授業に悩む教師にとっての必読書とも言える同シリーズの著書『3ステップで学びの土台をつくる―国語授業のこだわり33』(東洋館出版社)を出版して反響を呼んだ。
このほど発行された教育・仕事術シリーズ第2弾『教務主任の仕事』はA5判、155ページで、価格は税込み2310円。
本書では、教務主任の役割やマネジメント、チーム作りの具体例を、牧園さんの実体験と研究に基づいて紹介。教務主任が持つべき「包括力」といった学校のキーパーソンとしての心構え、実務を時系列で把握する方法、現場で直面する疑問の解決策などが解説されている。年間の実務チェックリストを含むQ&A形式も採用し、教務主任に求められるのは単に「仕事ができる」ことだけでなく、学校全体をつなぐ「包括力」と、相手への理解に基づいた心構えが重要であるとも説いている。
出版にあたり牧園さんは、「教務主任は学校全体を動かすポジション。『仕事ができる人』というイメージがありますが、私はそうではありませんでした。そうでない私が、どのように日々の仕事に向き合い、多岐にわたる仕事に取り組んできたのか。膨大な記録をもとに、仕事に対するマインドセットや具体的な仕事術、同僚との関係づくりなどについて記しました。教師のどの仕事にも通ずる心構えや考え方を具体的に分かりやすくまとめています。ぜひ手に取っていただけると幸いです」とコメントを寄せた。
今回の第2弾の著書についても、4年前の著書と同様に、父の牧園浩治さん(66)=徳之島町亀津=が14日に徳之島町、天城町、伊仙町の3町の教育委員会を訪れ、全ての小中学校用に計33冊を寄贈した。