伊仙町ふるさとレストラン・シェフツアー

「伊仙町ふるさとレストラン・シェフツアー」で徳之島産食材の創作料理の披露・試食交流も=16日夕、同町ほーらい館

徳之島産食材で創作料理
イタリアン&フレンチ名店シェフら

 【徳之島】ふるさと納税返礼の食事券にリンクさせて徳之島産の食材・商材をPRする「伊仙町ふるさとレストラン・シェフツアー」(同町主催)が16、17の両日にかけてあった。テレビ共演でもおなじみの東京都内のイタリアとフランス料理の名店のシェフ2氏を招へい。農林水産物の生産・加工現場の視察と意見交換、それら食材をチョイスした創作料理実演と試食会などで交流した。

 2017年度から取り組む「同町ふるさとレストラン」プロジェクトの一環。首都圏の著名レストランのシェフたちが徳之島産の食材を活用した新メニューを創作してもらい、同食事券をふるさと納税の返礼品に加えている。コロナ禍の影響も受けたが、今年の契約店は日本料理・イタリアン・フレンチ・中華料理など関東・関西地区の計8店を見込んでいるという。

 今年のゲストは、いずれもミシュラン一つ星を連続獲得中の▽東京・西麻布にある人気イタリアン「ピアットスズキ」のオーナーシェフでバネットーネ国際大会金賞にも輝いている鈴木弥平氏(58)▽同・南青山のフレンチレストラン「アムール」総料理長の後藤祐輔氏(45)。日本の旬の食材を生かした繊細なイタリアンとフレンチ料理番組への共演でもおなじみ。

 16日は同町未来創生課スタッフらの案内で「ましゅ屋」(製塩所)や島バナナ園、黒糖焼酎酒造場、グアバ果樹園などを視察。午後5時からは島内の各種品目の生産者8人を交え同町ほーらい館(調理室)で即興調理のデモンストレーションも。牛肉(町内生産牛)や豚肉、イセエビ、野菜・果物、純黒糖なども活用してイタリアンとフレンチそれぞれの特長を生かした3品ずつ計6品を調理。解説と試食会でも交流した。

 島食材への感想で鈴木氏は「ニンニクなどにしても味が濃ゆく、しっかりとした味の食材が多い。輸送が可能ならぜひ使いたい」。後藤氏も「本土に送れない(出荷外の)若いビワの酸味などにも魅力が。(鮮度維持の)流通体制が改善すればぜひ使いたい。直行便も欲しいところ」とも。

 約40年ぶりに徳之島にUターンしてゲストハウス運営や地場産ショウガ「ジンジャーエール」製造を手掛ける参加者の一人・中林みゆきさん(62)=同町阿三=は「島では当たり前すぎる青バナナやパパイアも巧みに生かす一流のアイデアと味に感動。逆に島の素材の魅力に気付かされた」と話していた。

 17日も引き続き園芸ほ場(レモンなど果物)や有機農業推進組合、道の駅とくのしま(徳之島町)なども視察して意見交換した。