サンゴの島の始まりの場所・百之台から望む喜界島(資料写真)
日本ジオパーク認定を目指す喜界島ジオパーク推進協議会(会長・隈崎悦男町長)は、認定審査に必要な申請書をまとめ、今月中をめどに日本ジオパーク委員会へ提出する。ジオパークは、貴重な地形や地質を保全し研究や教育に生かす地域認定プログラムで、構想開始から7年、認定に向けてのスタートラインに立つ。
喜界町は、島の宝を新たな資源にしていこうと、2018年6月に基本構想検討委員会を立ち上げて検討を始めた。23年6月には、推進を前提にした協議会を設立。官民でつくる評議員13人が、その意義や価値を掘り起こし、発信を続けてきた。
ジオパークは、ジオ(大地)とパーク(公園)の造語で、貴重な地形や地質など、地球科学的に意義のある場所や景観を保護していく地域を指す。その構成要素は保護にとどまらず、産業や文化に育む地域で、学術性や教育的観点などから、同委員会が認定。1月27日現在、48地域が認定されている。
協議会は23年10月にロゴマークを制作し、地元食材を使った「ジオパクパク給食」、サンゴ礁文化を学ぶ「公民館講座」、地形を生かした「ジオツアー」などに取り組んできた。認定されれば、保護の推進や地域の活性化、関係人口の増加などの効果が期待できる。
事務局では、申請に必要な書類づくりも佳境を迎えている。上地義隆事務局長は「苦労はあったが本番はこれから。認定までは気を引き締めて取り組みたい」と話す。
喜界島は10万年前に、サンゴ礁が隆起してできた島。その地形・地質は地球の成り立ちなどが分かるとして、世界が注目。24年8月には、国際地質科学連合が認定する第2回の「地質遺産100選」にも選ばれている。