未来のリケダン・リケジョへエール

「血液の流れを探る」をテーマに講話する大島さん

大島さんが大島高校で講演
「理系は面白い」

奄美市名瀬の県立大島高校(堂薗幸夫校長)で17日、東京大学大学院情報学環・生産技術研究所教授で奄美2世の大島まりさんが講演を行った。リケダン・リケジョを目指す生徒ら約30人は、大島さんが取り組むバイオ工学(医療)の話に耳を傾け、先端研究の一端に触れた。

講演は、生徒にエールをと安陵会メンバーが発案。父が大島高校の前身・旧大島中学校出身である大島さんに声掛けし、墓参りの帰郷を機に実現した。

大島さんの専門は、バイオ・マイクロ流体力学。「血液の流れを探る~数学がつなぐ医用画像×シミュレーション×AI、そして医療」をテーマに講話した。

手術後などの脳の血液の流れを研究してきた大島さんは、これまで相当の画像解析と、それを基にしたシミュレーションを重ねてきたことを紹介。「血液の流れは目で見ることはできない。必要な情報を少しでも多く抽出することで仮想的な手術に役立ててきた」と説明した。

では、シミュレーションがなければどうするのか。近年は、AIに機械学習を取り入れることで大量のケーススタディが瞬時に扱えるようになってきた。「高度な情報の提供で、安心・安全な医療に貢献できるようになっている」などと報告した。

3年の里美雲さん(17)は、大島さんの著書を読んで物理が好きになった。「勉強が大事だと教えられた」と笑顔。講話後、大島さんは「理系は面白い」と未来の理系学生たちにエールを送っていた。