県奄美パーク24年度実績

24年度は11万6千人が来館した県奄美パーク(資料写真)

入館者1.9%増の11万6千人
回復基調もLCC運休響く 一村展効果、美術館伸び

 奄美市笠利町の県奄美パーク(宮崎緑園長)はこのほど、2024年度の入館者実績をまとめた。奄美の郷と田中一村記念美術館を合わせた入館者数は11万6937人で、前年度と比べ1・9%増えた。ただ、13万6千人が訪れたコロナ禍前の18年度には及ばず、LCC定期便の運休や減便が響いたとみられる。

 入館者数の内訳は、奄美の郷が前年度比0・4%減の7万1424人、田中一村記念美術館が5・7%増の4万5513人。コロナ禍が明けて以降は回復基調にあるものの、航空便の運休・減便が影響し伸び悩んだとみられる。

 入館者を月別でみると、3月が1万4557人と最も多く、次いで2月1万1587人、8月1万1172人、11月1万1059人と続いた。大型化するクルーズ船からの来客が下支えしたとみられる。

 一方、最も少なかったのは6月で6099人。例年客足が増える4~6月が6~8千人台にとどまるなど、航空便の運休・減便に伴う需要減少の余波を受けたとみられる。

 直近の主な入館者数の推移は、18年度13万6946人、19年度12万9297人、20年度5万7348人、21年度6万9167人。コロナ禍後の22~23年度は11万人台で推移している。

 24年度は、東京都美術館(9月19日~12月1日)で開かれた特別展「田中一村展~奄美の光、魂の絵画」の効果もあってか、美術館への来場者が伸びた。田代浩二次長兼総務課長は「東京で一村の絵を見て、本物を見たくなったと訪れた来館者も多い。今後はクルーズ船の受け入れ整備が進めば観光客は増えることも予想される。しっかりと体制を整えたい」と話した。

 なお、24年度の臨時休園は台風10号、13号に伴う3日間のみ。24年度末時点の累計入館者数は298万5216人で、5月には節目の300万人に達するとみられる。