日本ジオパーク委へ申請

ジオサイトの一つで、サンゴ礁段丘が一望できるテーバルバンタの眺め

5月に公開プレゼン 隈崎町長「第一歩」
認定目指す喜界島

 喜界町の産官学が連携してつくる「喜界島ジオパーク推進協議会」(会長・隈崎悦男町長)は23日、日本ジオパークの公式機関・日本ジオパーク委員会に認定に向けた申請書を提出した。今後は、5月に千葉県で行われる公開プレゼンテーションに臨み、現地調査の可否を決める。

 喜界島は、10万年前にサンゴ礁が隆起してできた島で、地球の成り立ちが分かるなど、地質学的に重要な地域とされる。過去の気候変動などの痕跡が残る5段のサンゴ礁段丘が特徴で、特に完新世の段丘は、国際地質科学連合が認定する世界の「地質遺産100選(セカンド100)」にも選ばれている。

 喜界町は、貴重な資源を次世代につないでいこうと、2018年6月に構想検討委員会を立ち上げた。23年6月には推進協議会に移行し、地域での取り組みや発信を強化してきた。

 申請名称は「喜界島ジオパーク」。島内56・82㌔平方㍍に、サンゴ礁が形成される海域92・0㌔平方㍍を含め場所を設定。見どころにあたるジオサイトには、隆起サンゴ礁の高台地「百之台国立公園展望所」、サンゴ礁の岩場に生育する代表的な植物が見られる「荒木・中里遊歩道」、昔ながらのサンゴの石垣が残る「阿伝の石垣」のほか、喜界島ならではの自然や動植物など計25サイトを設定した。

 申請書はこの日、委員会に提出した。5月24日は、千葉県の幕張メッセで開かれる第54回日本ジオパーク委員会に参加し、公開プレゼンテーションに臨む。特徴や活動について説明し、隈崎町長が決意を表明する。

 審査を通過すれば、6~9月に専門委員らが現地調査に訪れる。委員会の議論などを踏まえ、早ければ年内にも可否が決まる。

 隈崎町長は「これまで認定を目指し、ジオパーク活動を進めてきたが、申請はあくまでもその第一歩」とし、「認定がゴールではなく、地域の魅力を次世代へ継承していくために、今後も継続的な活動に努めたい」とコメントした。

 日本ジオパークは、貴重な地形や地質を保全し研究や教育に生かす地域認定プログラムで、1月27日現在、全国48地域を認定。県内は、霧島、桜島・錦江湾、三島村・鬼界カルデラが認定されている。