約90人の参加者を前に講演する安田市長
【東京】奄美ゆかりの人たちによる講演会「第43回武蔵野奄美フォーラム」(田畑千秋会長、中原啓雄幹事長)がこのほど、武蔵野市の武蔵野商工会議所で開催された。安田壮平奄美市長が「しあわせの島への挑戦」と題して初講演。会場を埋めた約90人が熱心に聞き入っていた。
同フォーラムは、東京都及び近県に居住する奄美出身者を会員に、親睦、自己啓発、奄美と地域社会との交流などを目的にしている。年1回の総会のほか、フォーラムを春と秋に行っており、春季のフォーラムに安田市長が講演者として登場した。
市長は「歴史と伝統のあるフォーラムに招いていただきありがたい」と語り始めた。プロジェクタースクリーンで「家業は大島紬の製造販売」「28歳で奄美にUターン」などと会社員、松下政経塾を経て市長を目指したプロフィールを紹介。「都会にはない自然環境、歴史、地場産業、生活文化」の持続可能な成長と繁栄の中心を担うのが「奄美の人そのものであり大事にしていきたい」と強調。「出社するだけで、その日のエネルギーの半分を使った。奄美ほど心豊かに暮らせる島はないと感じた」と会社員時代のエピソードも披露した。
また、奄美大島は空のアクセスも良く、世界自然遺産を有する国内唯一の市であることなどを説明。「奄美大島・奄美市の可能性を考えよう」と提案。最後は「元気な経済活動、次世代への『しまの誇り』継承を目指す」と締めくくり、会場からは大きな拍手が送られていた。続いて参加者と活発な質疑応答が交わされた。中には「多少平均給与が少なくても、幸せでいられる島を目指してほしい」の意見もあった。
安田市長は「先輩たちを前に緊張しました」と笑顔で振り返っていた。また、市長講演に先立ち、田畑会長による「奄美の妖怪の謎~ケンムン~」と題した講演もあった。