第2期営農ビジョンを承認した徳之島地域総合営農推進本部総会=23日、伊仙町
【徳之島】徳之島地域総合営農推進本部をはじめ同島農政関連3団体の2025年度総会が23日、伊仙町のほーらい館で開かれ、全議案を承認した。「『亜熱帯性の気候』と『畑かん』で徳之島の農業がワイドに変わる!」をスローガンに第2期徳之島地域畑地かんがい営農ビジョン(25年度~34年度の10年間)についても策定した。
同総合営農推進本部(本部長・大久保明伊仙町長)の総会には県や3町農政、JA、製糖会社など関係機関・団体の代表ら約30人が出席。同本部長はあいさつで持続可能な農業への農地集積、新たな農業施設の活用、循環型農業などに取り組み、「次世代に魅力ある農業環境の継承を」などと強調。各専門部会(土地利用畑かん・園芸・畜産・糖業・生活・担い手・畑かんプロジェクト)それぞれの24年度活動実績報告・収支決算、25年度活動計画・収支予算案など全議案を承認した。
今後10年間の第2期地域畑地かんがい営農ビジョン(概要版)では今後の課題に「水利用による基幹的作物のさらなる生産性向上」を挙げ、サトウキビ収量141%増、バレイショ収量145%増、飼料作物(トランスバーラ)の面積増を目指す。実現のため経営体や法人など農業者組織の育成、畑かんを活用した高収益作物の計画的導入を推進する。
重点推進品目には、▽基幹品目=サトウキビ・飼料作物・バレイショ▽戦略品目=ショウガ、カボチャ、実エンドウ、マンゴー、トルコギキョウ、パッションフルーツ、タンカン、ピタヤ▽検討品目=茶、落花生、コーヒー、ゴマ、サツマイモ、サトイモ、ニガウリ、オクラ、枝豆、その他野菜・花き・果樹―などを挙げている。
その上で「将来像」として、①亜熱帯性の気候と畑かんを生かした園芸作物の拡大②徳之島ブランド化、地域全体の活性化の牽引(けんいん)③受益農家が夢と誇りを持てる強い農業の展開④戦略的な畑かん営農にチャレンジし「大地と水の恵みを次世代へつなぐ」各種取り組みの展開(要旨)―などを目指す。
ほか、徳之島地域農業総合対策推進協議会(会長・森田弘光天城町長)の総会では、国営付帯県営畑かん設備事業(全体受益面積3451㌶)の24年度末現在までの「散水面積」1189・4㌶(進捗(しんちょく)率34・5%)の報告もあった。徳之島農業改良普及事業協議会(会長・森田天城町長)の25年度活動計画には「新規就農者励ましの会」や各種研修会などの継続を掲げた。