海洋環境問題学ぶ

集めた漂着ごみを奄美海上保安部の職員とともに分類する生徒(24日、龍郷町嘉渡海岸)

龍郷町・龍北中 漂着ごみを集め分類

 龍郷町の龍北中学校(紙屋貴志校長、生徒11人)は24日、奄美海上保安部と合同で、嘉渡海岸の漂着ごみを拾い分析する「リサーチきょら活動」をした。生徒10人、教諭4人、海保職員3人で約1時間かけ拾ったごみを分類し点数や重量を記録、身近にある海が抱える環境問題に理解を深める機会とした。

 同活動は、同校が2001年から続けている環境学習。20年以上にわたり海岸の環境美化に貢献したことが認められ、21年には、国土交通省から「海の日」海事功労者表彰を受けている。

 活動は2部構成。校舎ホールでは、同保安部交通課の松尾多加士専門員(36)が、海の安全教室を開いた。松尾さんは、遊泳中の事故につながる離岸流について「秒速2㍍に及ぶ」として、回避方法などを説明した。

 講習後、嘉渡海岸に移動。生徒は2班に分かれ、あらかじめ定められた範囲(10㍍四方)でごみを集めた。異臭を放つごみを拾い上げ、悲鳴が上がる場面もあったが、約1時間で合計41㌔のごみを集めた。

 集められたごみは、プラスチック、木・紙、複合素材などに大まかに部類された後、それぞれの重量を量り詳細を記録した。これらの記録は、海洋環境活動を行っている一般社団法人JEANへ報告され、統計資料作成に生かされる。

 3年の辺木凪沙さん(14)は「全校でごみ拾いをすることで、自然を守るという意識が高まる。釣りが趣味なので、きれいな海がいつまでも残ってほしい」と話した。

 同活動を担当する碇山信行教諭は「環境問題を自分事として捉えることが大事。身の回りの問題から、日本や世界へ視野を広げ、なにができるかを考える機会にしてほしい」と話した。