3市町村、野鳥監視強化

死亡した野鳥への注意を促している環境省作成のパンフレット

県とともに巡回し異常確認
高病原性鳥インフル

 奄美市名瀬市街地で回収されたハヤブサから遺伝子検査により致死率の高い高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたが、発見地点から半径10㌔内の3市町村では、県とともに野鳥監視を強化している。野鳥が飛来する河川や漁港、水田を巡回、異常な動きや死んだ鳥がいないか確認を重ねている。

 市農林水産課によると、同市が巡回しているのは7か所。名瀬地区の古見方にある大川沿い、大川ダム、小宿集落の中学校近くにある河川、知名瀬集落の川沿い、大熊漁港、芦花部集落の水田近くにある河川、そして住用地区の和瀬漁港。今週は毎日巡回しており、大島支庁林務水産課と市町村が交互に実施。来週は月曜市町村、水曜大島支庁と二日に一回の割合を予定している。

 同課の担当者は「複数の職員などで巡回中。カラスやヒヨドリ、カモ類、サギ類などの様子を監視し、巡回後は大島支庁に報告している」と話す。

 龍郷町の巡回箇所は2か所。農林水産課によると野鳥は水田への飛来が多いことから、秋名・幾里地区や大勝地区の加世間又の水田地帯を対象に午前中、職員2人で対応している。大和村は5か所。産業振興課によると、国直、湯湾釜、津名久、大和浜の4集落にある河川(湯湾釜のみ2河川)を対象に、職員2~3人で巡回している。

 県や市町村が巡回し監視しているが、全域巡回ではなく、土日など巡回できない日もある。住民への広報に取り組んでおり、死亡した野鳥を見つけた場合、▽素手で触らない(野生の鳥は、体内や羽毛などに細菌や寄生虫などの病原体があることがある)▽同じ場所でたくさんの鳥が死亡していたら、行政機関(大島支庁林務水産課、市町村役場の担当課)に連絡―の周知を図っている。鳥インフルエンザウイルスの人への感染については「感染した鳥との濃密な接触等の特殊な場合を除いて、通常では人に感染しないと考えられている。日常生活において、過度に心配する必要はない」としている。