27日「いさドラゴンカップ」

「いさドラゴンカップ」の優勝へ向け結集した「丸潮漕友会」(25日、大和村名音漁港)

 

 

 

悲願の優勝へ
雪辱期す丸潮漕友会(大和村名音)

 

 

 

 龍を模した手こぎボートで速さを競う「いさドラゴンカップ」は27日、伊佐市で全5部門に約70チームが参加し行われる。2024年大会に初出場し、決勝進出を果たしたものの3位に甘んじた大和村名音の「丸潮漕友会(まるしおそうゆうかい)」は、前年惜敗の悔しさを胸に25日夜、奄美大島を後にした。目指すは優勝のみ。果たして朗報は届くのか。

 奄美大島の舟こぎ大会で無敵を誇る丸潮チームは24年4月、満を持して同カップに初挑戦。力を発揮し決勝に臨んだものの、鹿屋体育大学A(鹿児島県)津奈木海龍風神(熊本県)の後塵(こうじん)を拝した。

 1位とのタイム差は1秒77。「1挺身ないくらい。悔しさだけが残った」(メンバー)と、チームに入賞を喜ぶ者はいなかったという。

 課題となったのが、鹿屋体大チームとの体格差。日本で唯一の国立体育大学である同大には、全国から高い競技能力の選手が集結する。若い選手が多く、差を縮めるのは容易ではないと感じた。

 丸潮がチーム一丸となって取り組んだのが筋力トレーニング。練習拠点とする名音漁港や自宅で20~30㌔のダンベルを上げ続けた。大会で使われる舟は、奄美の舟とは形状もパドルの材質も異なる。カーボン製のパドルを用い、〝水をとらえる〟感覚を磨いた。

 強化練習の積み重ねで、奄美大島に敵なしと言われたチームの力はさらに増していく。5月の舟こぎフェスティバル(奄美市名瀬小湊)、6月の小湊港まつり、7月の県民スポーツ大会地区大会(同市住用町)、8月の奄美まつり、ひらとみ祭り(大和村)と圧勝劇が続いた。

 だが、連勝街道を進むチームの中にはドラゴンカップの〝屈辱〟だけが残っていた。

 チームリーダーの上村(かんむら)太一さん(39)は「全国クラスとの戦いで力の差を思い知らされた。だが、はるかかなたではない」と話し、チーム一丸となっての必勝を目指す。

 リベンジに燃える松井聖樹(としき)さん(36)は「壁は高いがチャレンジするのみ」、森岡豊史さん(43)は「去年の自分たちを超える」、重田俊輔さん(19)は「優勝あるのみ」と闘志を口にした。

 ひたすら強さを追求し、活動を支える地元企業やサポーターに「最低でも優勝」を義務付けられた丸潮の悲願なるか。結果は28日付本紙。