協定を締結した田畑克夫町長(左)と奄美警備隊の長谷川健隊長(右)(28日、与論町)
与論町防災センター敷地内に設置されたコンテナ(28日、与論町)
災害派遣用に物資保管
【沖永良部】与論町と陸上自衛隊奄美警備隊は28日、「災害派遣活動用物資集積に係る協定」を締結した。自衛隊施設のない同町で災害が発生した場合に備え、町防災センター敷地内にコンテナ4基を設置し、災害派遣された自衛隊員の食料や飲料水を保管する。
協定締結は、天城町に続き全国で2例目。締結式で田畑克夫町長は「災害が起きた場合、役場など関係機関だけで島民の生命を守るのは難しい。災害に強い町をつくるためにも意義のある協定を結ぶことができた」と述べた。
協定書に調印した奄美警備隊の長谷川健隊長は「この協定をきっかけに奄美群島で迅速に災害対応を行える基盤ができた。町民と顔が見える関係をつくり、連携を強化していきながら、あらゆる事態に対応できるよう活動していく」と語った。
昨年11月に同町で発生した豪雨災害時、奄美警備隊は3日分の食料を携帯した連絡員2人を同町へ派遣し、2日間災害対応を行った。今回の事案において、長期間の活動となった場合に最低日数分の食料だけでは活動が制限されてしまうことなどが課題になっていたという。
コンテナ1基の大きさは奥行き75㌢×幅149㌢×高さ140㌢。同町防災センター敷地内に設置済み。災害発生時に初動対応を行う隊員約30人が1週間程度活動できる物資を保管する。