地域活性化企業人にJALの野村さん

田畑克夫町長(左)から委嘱状を受け取る野村佳世子さん(右)

魅力的な島へ、民間ノウハウ活用
与論町が委嘱

 【沖永良部】持続可能な観光地づくりを目指す与論町は4月1日付で、日本航空(JAL)の野村佳世子さん(58)を地域活性化企業人「地域連携コーディネーター」に委嘱した。同町の田畑克夫町長は「客室乗務員を含め多くの経験を持っている。関係機関と協力しながら、島の観光をさらに発展させてほしい」と期待を込めた。委嘱期間は1年更新の2年間。

 地域活性化企業人は、都市部の企業の社員を自治体へ派遣する国の制度。

 同町で初の地域活性化企業人となる野村さんは、JALの客室本部客室乗員部のグループ長を務めていた。会社から派遣を打診され「『行きます』と即答した。JALで40年近く働き、多くの経験をさせてもらった。新しいことに挑戦するチャンスだと思った」と笑顔。

 同町は昨年9月、JALとJAC(日本エアコミューター)、ヨロン島観光協会の4者間で持続的な観光推進に関する覚書に調印。野村さんは覚書にある国際認証の取得支援や新たな観光財源の確保、サステナブル観光の普及推進などに携わる。

 同町役場商工観光課の麓誘市郎課長は「町の観光振興計画やガイドラインが完成し、これから町内の事業者へ広めていく段階。インバウンドやユニバーサルツーリズムの受け入れ環境を充実させていくためにも、コミュニケーション能力の高い野村さんが来てくれてうれしい」と喜ぶ。

 東京から引っ越し、与論島で新しい生活をスタートさせた野村さんは「与論島に来るまで不安な気持ちもあったが、素晴らしい仲間が待っていてくれた。期間中にしっかりと結果を残せるよう頑張りたい」と意気込みを語った。