奄美のルーツ探し、奇跡の対面

奇跡の対面を果たしたアリシアさん(左)と納和代さん


タケコさんから届いた米国家族の写真を懐かしそうに眺めるアリシアさん

米国出身3世のアリシアさん
市民ら奔走、異例のスピード発見
納和代さん「会えてよかった」

 奄美3世で米国コロラド州出身のアリシア・フィッツジェラルドさん(37)=メキシコ在住=が、奄美市名瀬久里町に住む納和代さん(80)と初対面を果たした。アリシアさんは家系のルーツを探ろうと奄美大島を訪れ、米移民で祖母の納タケコさん(故人)の親族を探していた。対面を果たしたアリシアさんと和代さんは「本当に奇跡。これからは親戚、血縁として関係を深めていきたい」と涙を浮かべていた。

 祖母のタケコさん(当時30歳)は1958年、リチャード・ステイシーさんと結婚し、奄美からコロラド州に移り住んだ。和代さんは、タケコさんの弟・輝夫さん(故人)の妻で、アリシアさんとはふたいとこにあたる。タケコさんからは、手紙や写真が国際郵便で届けられ消息は分かっていたものの、米国の親戚とは直接会ったことがなく、亡くなってからは音信不通となっていた。

 対面のきっかけは4月28日、名瀬中央通りアーケード商店街にある旧オオギヤを尋ねたところから始まる。事情を聞いた店主の大迫光子さん(74)が、すぐさま仲間と協力し親族探しに奔走。写真やタケコさんが書いたと思われる家系図を手掛かりに知人や老人クラブを片っ端からあたり、29日の夜に和代さんにたどり着いた。決め手は、和代さんの自宅仏壇にあったタケコさんの遺影だった。2人は2日間という異例のスピードで対面を果たした。

 翌30日、改めて再会した2人はがっしりと抱き合い、肩をたたいて喜び合った。捜索当初から通訳を買って出てくれた濱田慎太郎さん(49)を介して、食事を取りながら思い出話にも花を咲かせた。陶芸家のアリシアさんは自身が制作したカタツムリのオブジェを、和代さんは手作りの大島紬のジャケットを交換。翌1日には墓参りも約束した。

 アリシアさんは「早く解決できてよかった。(協力者には)本当にありがとうと言いたい」と感謝し、「できることなら輝夫さんともお会いしたかったが、これから改めて仲を深めていきたい」と話した。

 タケコさんの兄弟5人は既に亡くなっている。和代さんは「感謝しかない。突然の出来事にびっくりしたけど私が生きているうちに会えて本当に良かった」と涙をぬぐった。

 アリシアさんは3日まで奄美大島に滞在。今後はSNSなども介して親睦を深めていくという。