県、子どもの居場所 初の実態調査

 
 
 
フリースクール利用23%
不登校きっかけ「不安強く」最多

 

 

 県は2日、子どもの居場所に関する初の実態調査結果をまとめ公表した。回答した児童生徒555人の不登校のきっかけは「学校に行こうとすると不安が強くなった」との回答が最多で55・4%を占め、利用施設は「フリースクールや放課後等デイサービス」が約23%に上り、他施設利用より目立った。

 子ども福祉課によると、フリースクール等に関する支援の在り方について検討するため、小中学校、義務教育学校、高校、特別支援学校における長期欠席者及び保護者の支援ニーズや施設の状況など把握することを目的に調査を実施。児童生徒のほか、保護者676人、施設37か所が調査に協力。児童生徒の協力では小学生(205人)と中学生(283人)が全体の9割近くを占めた。居住市町村(地域振興局・支庁管内)では鹿児島市が含まれる鹿児島地域振興局の割合が最も高く42・2%で、奄美群島の大島支庁は6・1%だった。

 調査結果をみると、学校に行けなくなったきっかけの回答(複数)は「行こうとすると不安が強くなった(ドキドキしていけなかった)」(55・4%)、「からだがきつかった(頭が痛い、おなかが痛い、はきけがした等)」(45・2%)、「先生や学校の人がいやだった(こわいな、会いたくないな等)」(44・4%)などが上位。「特にきっかけはない」(7・7%)もあった。

 不登校時に利用していた施設で、最多のフリースクール等の状況は「よく行っている」13・3%、「ときどき行っている」10・1%となった。他の施設の利用では病院が「よく」9・7%、「ときどき」24・9%、教育支援センター「よく」3・1%、「ときどき」4・3%、図書館・公民館「よく」2・7%、「ときどき」7・6%。こうした施設にも行っていない児童生徒は119人(21・4%)と全体の2割に上った。

 学校に行けなくなった時、どのように過ごしていたかは「家でゆっくりする」「動画サイトで動画を見る」「ゲームをする」などの回答が多かった。

 保護者への質問で、どのような支援や情報などがあったら良かったかの回答では「学校以外の勉強ができる場所の情報提供」「学校以外の居場所の情報提供」などが多かった。

 また、施設運営者への質問で、施設の役割については「学校、家以外の居場所」「運動、創作活動、自然体験などの活動の場」などの回答が多かった。