来島者にチラシを配り希少種保護を呼び掛ける環境省職員など(2日、奄美空港)
昆虫採集にも注意喚起
環境省など
環境省は2日、奄美市笠利町の奄美空港で、希少種の盗掘・盗採防止キャンペーンをした。県大島支庁、奄美市、奄美署も協力。国立公園内で動植物の捕獲・採取が規制されたエリアマップなどを配り、世界自然遺産登録の要因となった「生物多様性」への理解を求め、自然環境の保護を呼び掛けた。
同キャンペーンは、大型連休中に奄美大島に来島する観光客や帰省客に向けて毎年実施。希少植物の盗掘防止だけではなく、昆虫の大量持ち出しやアマミノクロウサギの交通事故防止への啓発も行っている。
配布したのは、国立公園の動植物捕獲や採取に関する規制区域が示された地図や、特別保護地区や特別地域における昆虫採集用のトラップ(わな)の規制に関するチラシなど。
同省の興津絵美管理官によると、同空港で3月、フィルムケースに入れられたカエルや昆虫100匹以上を航空貨物で持ち出された例があるという(規制対象種ではなかったため、そのまま出荷)。
興津管理官は「昆虫が増える夏にかけ、クワガタやシリケンイモリなどを荷物で送る例が後を絶たない。大量採取は、生物多様性で評価された奄美大島の自然環境を壊しかねない。また、持ち帰った昆虫を放せば、その地の生態系バランスを崩す恐れもある」と安易な持ち出しに注意を促した。
同省など関係機関と5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会はは4月30日~6日まで、希少植物の盗掘や昆虫トラップの有無などを調べる合同パトロールを実施している。