友人たちと久しぶりに再会した「大和の園」入所者(3日、「名音ティダの会」サロン)=提供写真=
旧友との再会、交流に涙
大和村・大和の園
大和村戸円の特別養護老人ホーム「大和の園」の入所者5人は3日、同村名音にある地域交流拠点「名音ティダの会」(重野弘乃代表)を訪ね、世話人スタッフらと交流した。久しぶりの外出と、地元の人との触れ合いに感極まったのか、入所者の涙はいつまでも止まらなかった。
名音ティダの会は、有志でつくる地域支え合いグループ。集落内に住民が交流するサロンを運営し、喫茶店の営業や散髪サービスなどのボランティア活動を通じて、集落住民の交流と高齢者の見守りを行っている。
訪問したのは86~92歳の入所者で、全員がかつてのサロンの利用者。施設入所後は外出する機会も少なくなり、交流もなくなりつつあったという。
この現状を寂しく感じていた重野代表が「施設に入所しても地域の友人たちとなじみの場所で交流ができないか」と、施設から地域への〝逆デイサービス〟を提案した。
久しぶりに友人と会った入所者と世話人らは、抱き合って涙を流し合い、思い出話に花を咲かせた。
重野代表は「ここは入所者にとって懐かしいゆらい場。自分のシマ(集落)は何物にも代え難い安らぎの居場所なのだろう」と感慨深げに語った。
同行した大和の園の職員は「施設では見せない表情を見せてくれうれしく思った。次は、今回行けなかった人と一緒に参加したい」と話した。