GWUターン、奄美空港混雑

観光客、帰省客で混雑した奄美空港出発ロビー(5日、午前中)

レンタカー・宿泊施設
「昨年並み」「後半に集中」

 4月26日から始まった今年のゴールデンウィーク(GW)も6日まで。前日の5日、奄美市笠利町の奄美空港は上り便利用によるUターンで混雑した。混雑は最終日まで続く見通しで、物価高や家計の事情などから今年は費用を抑えるため近場への旅行が指摘されたが、レンタカー事業者や宿泊施設によると昨年と変わらない観光客の予約・利用となったという。

 日本航空(JAL)奄美営業所が発表したGW期間の群島発着路線予約状況によると、日別のピークは下りが今月3日(83・5%)、上りは5日(78・5%)。祝日が続く3日以降の後半の予約率が高い傾向となった。奄美空港発の路線では一日7便運航の鹿児島行きで5日は3便が満席となり、羽田行きも6日は満席となっているものの、それ以外は空席がある状態。

 5日の奄美空港2階にある出発ロビーはJAL便の鹿児島行き、LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションが運航する成田行きなどの運航により午前10時前後から混みだした。大分市在住で母親が瀬戸内町出身という上原芙沙(ふさ)さん(25)は夫の貴信(きしん)さん(29)、9か月の娘・杏南(あんなん)ちゃんと共に2泊3日の日程で来島。古仁屋で暮らす90歳代の祖父母(母親の両親)にひ孫となる杏南ちゃんを見せることができたという。奄美大島を訪れたのが2回目の貴信さんは「曇りが多かったが過ごしやすい気候だった。海の透明度が全然違う。とても透き通っていてきれい。マングローブカヌーが楽しかった」と振り返った。

 空港近くにあり約300台の車両を所有する奄美レンタカー副店長の森亮太さん(32)は「予約や利用は昨年と変わりなく、1日で100件以上の利用がある日もあった。来島による利用は4日も多く、帰る方は5日と6日がピーク」と話す。例年に比べ混雑時期を避けるGW後の予約が低調という。森さんは「関東や関西からの利用が多いが、加計呂麻島が全国的に知られており、『加計呂麻に行きたい。レンタカーでそのまま行けるのか』といった問い合わせが多い」と語り、加計呂麻に憧れを抱くほど人気という。

 ホテルやレンタカー事業を営む向井純一さん(47)は「今年のGWの旅行計画傾向は『車で出掛けることが可能な近場』とされたが、昨年並みの予約や利用となり影響を感じなかった。期間では後半に集中し、久しぶりに家族連れの旅行者が多かった」と語った。