奄美群島の大型製糖工場5社は4月30日までに、2024~25年期の製糖を終了した。5社の総搬入量(生産実績)は39万4224㌧で、前期比2万2644㌧(106・09%)増加した。36年ぶりに搬入量が10万㌧を超えた南栄糖業など3社が前期を上回った。平均甘しゃ糖度は全社が前期を下回った。
搬入終了が最も早かったのは奄美大島・富国製糖の3月28日。続いて与論島製糖(4月7日)、徳之島・南西糖業(同18日)、喜界島・生和糖業(同25日)となり、沖永良部島の南栄糖業が最も遅かった。生和糖業は当初、搬入終了予定を3月25日としていたが、製糖過程で生じる副産物の糖蜜回収影響(取引業者が契約する輸送船故障)などにより1か月も遅れた。
搬入結果を各工場別にみると、生和糖業の量は前期比11・88%(8983㌧)減の6万6655㌧となり、1割以上も減少した。品質を示す平均甘しゃ糖度は前期を0・56度下回る15・66度。割合は、基準糖度帯(13・1~14・3度)が8・1%、同以上91・2%、同以下0・7%となり、平均では前期をわずかに下回ったものの、基準糖度帯以上が9割を占めた。
富国製糖の搬入量は前期比3・45%(913㌧)減の2万5553㌧。減少は2期連続。品質は平均甘しゃ糖度が1・59度下回る13・92度。割合は、基準糖度帯が45・1%、同以上36・0%、同以下18・9%で、基準糖度帯以上は4割に届かなかった。
南西糖業の搬入量は前期比4・99%(8146㌧)増の17万1444㌧。17万㌧台は3年ぶり。品質は平均甘しゃ糖度が1・39度下回る13・86度。前期は過去最高で、これを下回ったものの、過去10年平均の13・89度とほぼ同等となった。
南栄糖業の搬入量は23・38%(2万245㌧)増の10万6827㌧。収穫面積が前期比65・07㌶増の1764・45㌶、単収(10㌃あたり)が同0・959㌧増の6・054㌧となり、これが増産につながった。品質は平均甘しゃ糖度が1・89度下回る14・55度。昨年9~11月の多雨が影響し糖度が上がらなかった。
与論島製糖の搬入量は前期比21・17%(4149㌧)増の2万3745㌧。品質は平均甘しゃ糖度が2・09度下回る13・44度。夏場の干ばつや昨年11月の豪雨による影響が危ぶまれたが、生産量、単収ともに前期を上回った。