【徳之島】6日に告示された伊仙町長選挙は、元高校長の盛初弘氏(63)、前教育長の伊田正則氏(66)=届け出順=の2氏が立候補し、各選挙事務所前で支持者を前に第一声を上げた。候補者は選挙カーで街頭に繰り出し熱く支持を訴えた。派閥解消や農業振興、教育環境の整備など町の課題を巡る論戦が始まった。
【盛氏陣営】
午前9時頃から事務所前(伊仙)で「伊仙町の新しいリーダーへ! 勝利への出発!」の看板を掲げて出陣式。後援会の平山敏博会長、平陽子女性部長、美島盛秀選対本部長ら幹部や各層代表が次々と応援あいさつを述べ、「稼ぐ力と人を生かす政治で、ふる里に恩返し」と立ち上がった盛氏に「伊仙町の未来を託そう」と呼び掛けた。
盛候補は第一声で「国や県の資金を活用する事業推進課(仮称)を新設、町民の収入を増やして町を活性化。町民一人一人の力を最大限に引き出し、みんなで作る新しい伊仙町へ」。町民平均所得の現状にも触れ「現状を打破して町民全員が幸せになれる町づくりに」と力強くアピールした。妻のさつきさんも「夫は、孫と遊ぶ穏やかな生活からふる里・伊仙町に貢献したいと帰ってきました」と支持を求めた。
後援会青年部の常隆造部長が「町民一丸となって明るい選挙の実現を」と訴え、「ガンバロウ」三唱の音頭を取り結束を確認。盛候補は支持者たちの声援に送られて町内遊説に繰り出した。
【伊田氏陣営】
午前9時頃、同町伊仙の事務所前で出陣式。「むうるし ちゅうきばり」をスローガンに掲げる伊田候補は、「明日の伊仙町のために、きょう声を上げることが大事。子や孫に誇れる伊仙町をつくりたい」と決意を示した。
式では、後援会長、最高顧問、県議、町議7人らが出席し、大勢の支持者らが見守った。伊田候補と握手を交わした大久保明前町長は「半ばでやめたのは伊田正則にほれたから。この心意気を理解し頑張っていこう」と呼び掛けた。
教育環境の整備、農業振興などの公約を訴えた伊田候補は、長年町政を分断してきた派閥争いにもくぎを刺し、「ちゅうきばりは先人たちの過酷な農業の中で生まれた言葉。明日の夢を持つためにはきょうの終わり方が大事だ」と主張。「伊仙町の明るい未来のために大人が責任を持ち、それを子や孫が受け継ぐ。今こそ力を合わせて頑張ろう」と訴えた。
最後は全員でガンバロウ三唱し、選挙カーで遊説に繰り出した。