作品「未来の記憶」(左)と南さん(12日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA)
南さん個展「記憶のかけら」
18日までアマホームPLAZA
龍郷町を拠点に「大島紬アート」を手掛ける南みな実さんの個展「記憶のかけら」が12日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で始まった。大島紬特有の素材である絣(かすり)糸や筵(むしろ)などを生かした作品群を展示。フランスで盛んなワインラベルに採用された「未来の記憶」など約60点が並ぶ。
南さんは大阪府出身。服飾系の専門学校を卒業後、アパレルメーカーの勤務を経て、2013年に奄美大島へ移住。本場奄美大島紬技術専門学院で機(はた)織りを学び、19年から大島紬の絣糸や筵を用いるアート作家として国内外で活動を開始。世界基準国際芸術文化協会の世界遺産芸術文化賞(25年)など受賞歴多数。
初の個展となる会場では、キャンバスをベースに大島紬の絣糸や筵を中心にアクリルやビーズ、サンゴなどを用いた多彩な平面、立体作品を展示。「未来の記憶」(24年制作)は25年、老舗の蔵元ドメーヌ・ラ・フラゲリー社の醸造酒カルヴァドスに起用された。
南さんは「大島紬と言えば完成品の着物をイメージすると思うが、筵と絣糸を生かした作品に触れることで、制作過程に想像を巡らす機会にもなるはず。紬の魅力をより知っていただければ」と話している。
展示は18日まで。会期中、南さんは連日会場に滞在予定。