マングースバスターズ環境大臣表彰

晴れやかな表情で表彰状を手にする後藤義仁さん(右)、左は小林史明環境副大臣(提供写真)

「生物多様性保全に尽力」

【東京】奄美大島で特定外来生物フイリマングースの駆除活動にあたる奄美マングースバスターズ(AMB)が14日、千代田区の中央合同庁舎で開催された「2025年度『みどりの日』自然環境功労者環境大臣賞」に選ばれた。出席した関係者は表彰に感謝の気持ちを口にしていた。

受賞したのは一般社団法人自然環境研究センター奄美大島事務所(松田維(たもつ)所長)のマングース捕獲の専門チーム。環境省では、自然環境の保全に関する顕著な功績があった人(または団体)を表彰し、これをたたえるとともに、自然環境の保全について国民の認識を深めることを目的として、1999年度から「『みどりの日』自然環境功労者環境大臣表彰」を行っている。今年度は32件(個人16件・団体16件)が選ばれ、AMBが保全活動部門での受賞となったもの。AMB結成は、外来生物被害防止法が施行された2005年。それ以来、マングースの完全駆除を目指して必死の作業を続けてきた。結成時12人のメンバーはピーク時の40人を経て現在は3人となっている。

豪雨に襲われ、ハブに遭遇したりしつつも奄美大島の豊かな自然を維持するため、深い森に分け入っての地道で積極的な活動に明け暮れている。その結果、18年4月に最後の1匹を捕獲して以来、約6年間にわたってわなでの捕獲や探索犬による検出、自動撮影カメラによる撮影などの明らかな生息情報は確認されていない。

環境省によると、奄美大島における事例以前にマングースの根絶に成功した島は9島だが、その面積は過去最大。「四半世紀にわたり根絶に取り組んできた組織・人々によって成し遂げられた、生物多様性保全上の重要な世界初の成果」と評価。「長年のマングースの防除活動により、多数の在来種で個体数や分布域の回復が見られており、奄美大島における国立公園、世界自然遺産の価値としての生物多様性保全に尽力」を功績概要に挙げた。

表彰式に臨んだ後藤義仁さん(50)は「世界的な偉業を評価していただいた。今まで続けてきて良かった。また、島民の皆様の協力があったからこそ達成できた。この点について感謝申し上げます」と振り返った。今後も後藤さんのほか眞島吾郎さん、細川伸さんが「定期的に活動して生物多様性の保全に尽くしていきたい」としている。