奄美市笠利町節田に計画されている高層ホテル建設で、企業側による2回目の校区住民を対象とした説明会が開かれた(今回も会場内の撮影は許可されず、外からの撮影)
奄美市笠利町節田に計画されている高層ホテル(12階建て約40㍍の高さ)建設で、企業側による校区内4集落住民を対象とした2回目の説明会が15日夜、節田小学校体育館であった。住民が最も反対しているホテルの高さについて、運営会社(㈱レンブラントホールディング)は階層を低くした場合に採算性があるか設計変更を含めてシミュレーション(結果予測)していることを明らかにした。
説明会を開いたのは前回(3月5日)同様、ホテル新築事業の事業主・奄美笠利町合同会社(特別目的会社で、不動産の総合的運用、運営、管理は資産運用会社の㈱アヴァルセックに委託)、運営会社、設計会社(㈱コイケデザインワークス)。約70人の住民が出席した。
前回の説明会で住民から寄せられた質問・意見要望に応える形で進められ、その回答には住民から質問が繰り返された。高さなど規模の縮小について運営会社は「設計の変更を含めてシミュレーションしている。数パターンを検討しており、客室(64室計画)を半分にすることで階層が低くなるが、採算性が問われる。減室に伴い客室の質を上げて単価をアップさせる方法もある」と説明。高さの縮小といった建築の積算は「6月上旬~中旬には出る見通し。この事業をどう判断するか、この時点で説明できる」とし、近隣3軒・住民が反対する高さの見直しが採算面から可能か6月にも改めて説明する方針を示した。
奄美市の景観条例に基づき計画の再審査を求める意見が出席住民からあり、企業側は「(条例に基づき)正しい手続きで進められ、昨年6月には審議会開催により(計画の)適合性が確認された。再審査が必要かは奄美市が確認すること」と述べるとともに、「12階で許可されたが、変わる可能性もある」とした。
高さの問題では前回の説明で図を示し「用安集落を抜けた辺りからの風景の場合、ちょうど奥に白い建物(計画しているホテル)が見える。左側が奄美パークのレストラン部分の屋根、右側に計画している建物でほぼ同じ高さ。この建物が一番目立つとはならない」と発言したが、出席者の指摘により設計担当者は「奄美パークとは、10㍍ぐらいの高さの差がある」と述べ、ホテルの方が高いと修正した。
ホテルが建設された場合の税収で、合同会社の所在地は東京にある会計士事務所となっている関係で法人税は奄美市には入らないが、企業側は「年間数千万円の固定資産税、運営会社が事業所税で地域貢献できる」と説明した。
企業側による2回目の説明会を振り返って節田集落の長谷川雅啓区長は「採算面から高さの見直しが可能か検討しているとの発言には驚きと同時に、うれしさを感じた。私たちの意見要望に向き合いしっかりと考えているのではないか。次の説明会など今後も話し合いを重ねていきたい」と語った。