定員割れや志望者減など課題

奄美看護福祉専門学校で開かれた奄美市議会文教厚生委員会の所管事務調査

奄美看護福祉専門学校で調査 「支援の方法検討」
市議会文教厚生委

 奄美市議会文教厚生委員会(竹山耕平委員長、委員7人)は17日、奄美市名瀬小湊の奄美看護福祉専門学校(向井奉文校長)を訪れ、所管事務調査を行った。同校では先日、こども・かいご福祉学科の募集を停止することが判明するなど、重要な運営問題に直面している。委員らは学校側の状況や意向を聞き取り、抱える課題や問題点に目を向けた。

 こども・かいご福祉学科は、20年間にわたって定員割れが続いていたことから、運営する日章学園が2026年度以降の募集停止を決めた。残る1学科の看護学科でも同様の問題は潜んでおり、島の数少ない高等教育機関として厳しい局面を迎えている。

 調査は、同文教厚生委6人とその他市議9人が出席し、奄美市職員ら13人が同行した。学校側は寺師敬子副校長、深成一朗統括監兼事務長、学科長らの5人が応対した。

 質疑では、▽休職者への現場復帰支援▽実務者研修費の補助▽地元高校への進学PR強化▽社会人誘致による底上げ▽病院奨学金の充実▽中学生の体験入学への支援―など、学校側からはさまざまな要望やアイデアが寄せられた。寺師副校長は同様の事態が続く全国や県内の状況などを踏まえ、「普及やPRには努めているが、(業界を)志望する子がなかなか増えないのが課題だ」と訴えた。

 竹山委員長は会後、「洗い出された課題を踏まえ、6月定例会でしっかりともんでいきたい」とし、「これは奄美市だけの問題ではない。島内の自治体に呼び掛けながら、支援の方法などを検討していきたい」と話した。

 同校は、当時の厚生省の看護師養成所指定を受けて1995年に開校。30年の節目を迎えた現在、看護学科109人、こども・かいご福祉学科39人の学生が在籍し、これまでに2171人の卒業生を送り出している。